013 Egretta Sacra II vol.1 :ショートショート台本013  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

P-13 苦渋の選択

  ■概要
主要人数:4人
時間:

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー

■キャスト
マックス(男、24歳、女主人・マルグリートの恋人)
スヴェン(男、25歳、従僕)
ハリー(男、17歳、近侍)
クリス(男、14歳、幽霊)


タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
P-13      

苦渋の選択

001

クリス

(意地悪く)
「マックスは、どうやらお疲れのようだね。まあ、あれだけ、自分を装っていれば、仕方ないか・・」

マックス、スヴェン、

002

クリス

(不思議そうに)
「そもそも、マックスは、なんでマルグリートなんか選んだんだろうね。彼のルックスと頭脳をもってすれば、もっと条件のいい女なんて、たくさんいるだろうに・・」

ハリー

003

クリス

(楽しそうに)
「おっと・・あれは、腹心のスヴェンだね。彼もなかなか、食えないヤツだな・・・二人の秘密、のぞいてみるとしよう!」

TIME:

004

  (イスに腰かけ、難しそうな顔で書類に目を通すマックス。そこへ、手紙を持ったスヴェンがやってくる)
 

005

スヴェン

(後ろからやってきて、頭を下げる)
「失礼致します」

 

006

マックス

(顔をあげ、スヴェンを見て)
「ああ・・・スヴェンか・・・」

 

007

スヴェン

(軽く微笑んで)
「どうやら、お疲れのご様子ですね」

 

008

マックス

(肩をすくめて)
「フフ・・ここでの生活は慣れるまでに時間がかかりそうだ」

 

009

スヴェン

(書類に目を落として)
「それは・・?」

 

010

マックス

(微笑して、書類をあげて見せて)
「ああ、これか・・ここにいる使用人達の詳細なデータさ。色々と知っておかなくてはな・・・」

 

011

スヴェン

(優しく)
「なるほど・・」

 

012

マックス

(気づいたように)
「ところで、どうした?」

 

013

スヴェン

(思い出したように)
「ああ・・先程、妹君のシャルロッテ様から使いの者が・・」

 

014

マックス

(眉をひそめて)
「シャルロッテから?」

 

015

スヴェン

(丁寧に)
「はい。この手紙をマックス様にお届けするようにと・・」

 

016

マックス

(つぶやくように、眉をひそめて、後半はしっかりと)
「手紙・・・?シャルロッテから?・・・そうか、読んでくれ」

 

017

スヴェン

(丁寧に)
「よろしいので?」

 

018

マックス

(淡々と)
「ああ、構わない」

 

019

スヴェン

(手紙をあけて、よみはじめる)
「『愛しのお兄様へ

エグレッタ・サクラでの暮らしはいかがでしょうか?
そちらは、さぞや華やかで輝いていることでしょう。

今日は家政婦のヴェラに頼んで、お兄様が大好きだった
シュトーレンを焼いてもらいました。

ずっと昔に、皆で過ごしたクリスマスを思い出すでしょう?

お父様にお母様・・・
お兄様にスヴェン・・・それから、ハリー・・
あんなに楽しかったのに・・・

今でも昨日のことのように鮮明に思い出せるわ。

お兄様が、この館を去るといった
あの日・・・

あの日から、眠れない日々が続いています。

私から、愛するお兄様を奪っていったあの女を・・・
私は許すことができずにいます。


願わくば、あの女に天罰が下りますことを・・


ねぇ、覚えているかしら?
あの夜のことを・・・

窓から差し込む青い月の光が
お兄様の横顔を照らし出し

お兄様の唇が私の・・・ 』

 

020

マックス

(感情を露わにして厳しく遮るように)
「もう、いい!」

 

021

スヴェン

(手紙を封筒におさめながら)
「マックス様・・・出すぎたこととは思いますが・・・シャルロッテ様の件は、何とか対処した方が・・」

 

022

マックス

(俯いて)
「わかっている・・」

 

023

スヴェン

(淡々と)
「このままでは、いつか我々の計画に支障をきたします」

 

024

マックス

(立ち上がって、叫ぶように)
「わかっていると、言っているだろう!!!これ以上、私にどうしろと言うんだ・・・」

 

025

スヴェン

(じっとマックスを見つめて)
「・・・はい」

 

026

マックス

(スヴェンに近寄り、意地悪く笑って)
「フ・・何か言いたそうだな」

 

027

スヴェン

(じっとマックスを見つめて、しっかりと)
「シャルロッテ様は、専門家の手に委ねた方がよろしいかと」

 

028

マックス

(スヴェンを睨んで)
「何だと・・?」

 

029

スヴェン

(じっとマックスを見つめて、しっかりと)
「わかっていらっしゃるのでしょう。全て、あなたのエゴだということを・・・シャルロッテ様の呪縛に囚われているのは、本当はあなたご自身だということを・・」

 

030

マックス

(スヴェンの襟元を掴んで、真剣に)
「スヴェン、殺されたいのか?」

 

031

スヴェン

(一切、動じず、しっかりと)
「言ったでしょう?あなたのためなら、いつでも死ぬ覚悟はできています」

 

032

ハリー

(文句を言いながら入ってきて)
「マックス様〜〜〜!!!聞いてくださいよ〜〜!!!また、あの陰険執事・・・・あ・・・っ!!すみません・・!!」

 

033

マックス

(手を離して、冷たく)
「もう行け、スヴェン・・・」

 

034

スヴェン

(襟元をなおして、丁寧に頭を下げ出ていく)
「失礼致します」

 

035

ハリー

(申し訳なさそうに)
「あのぉ〜・・・・?」

 

036

マックス

(せつなく微笑んで、反対側に出ていく)
「ハリー、悪いが、一人にしてくれないか・・・ちょっと外に出てくる」

 

037

ハリー

(申し訳なさそうに)
「あ・・・はい・・・・」

 
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