014 Sweet Mulberry Farm I vol.2 :芝居用台本006  ・・・・・・・・・・・・・・ 

S-5 マルベリーの夕暮れ

 

■概要
主要人数:9人
時間:


■ジャンル
ボイスドラマ、西部開拓時代、コメディ

■キャスト
リック (男、20歳、農夫)
アダム (男、49歳、農場長)
ケネス (男、28歳、農夫)
マーティン (男、20歳、農夫)
ウェイン (男、17歳、農夫)
キース (男、16歳、農夫)
マーシャ (女、24歳、ジプシー)
ショーン (男、20歳、四姉妹の従兄弟)
セルマ (女、22歳、メイド)


タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-5     

(正面側からファイルを抱えてリックが歩いてくる)

マルベリーの夕暮れ

001

リック

(汗をふくように額に手をあてて、誰もいないベンチを見つけて、腰を下ろしながら)
「はぁ・・・今日は本当に忙しいな・・・お昼もろくにとれなかったし・・・・・。作業も一段落したから、やっと休憩がもらえたけど・・・。ん・・・ここなら、静かに過ごせるかな・・?」

 

002

リック

(レポート用紙を取り出して、ペンを走らせながら)
「家族の皆にも全然連絡してないもんな・・そろそろ、手紙の一つも出さないと、心配して、ここまで来ちゃいそうだよ・・・よし・・新愛なる・・・ウィルキンソン家の皆さんへ・・・」

リック、アダム、ケネス

003

リック

(考えながらペンを走らせて)
「ごきげん・・いかがですか?・・・ボクは元気です・・・マルベリーにきて、はや・・2か月が経とうとしています・・・」

マーティン、ウェイン、キース

004

リック

(考えながらペンを走らせて)
「ここの主のアルフレッド様は初日にお会いして以来・・奥様のマーガレット様と共に・・・仕事のため・・海外に出かけていらっしゃいます・・・来月には戻るそうですが・・・」

マーシャ、ショーン、セルマ

005

リック

(考えながらペンを走らせて)
「その間、主にかわって・・・ここを管理しているのが・・・ボクの大先輩でもある・・・農場長のアダムさんです」

 

006

リック

(天井を見て、ちょっと考えるようにして)
「アダムさんは、とってもしっかりしていて、大らかな人で・・・」

TIME:

007

アダム

(正面側からやってきて)
「おお、リック!こんなところで、どうした?」

 

008

リック

(レポート用紙を隠すように、慌てて立ち上がって)
「あ・・っ!!アダムさん!!・・・ちょっと休憩を・・・」

 

009

アダム

(笑顔で、後半はリックの肩をバンバン叩いて)
「おお、そうか!いやあ・・今日は本当に忙しいからなぁ!・・・まあ、このくらい忙しい方が活気があって、いいか!アハハハハ!!」

 

010

リック

(肩を叩かれ、痛そうに顔をしかめながら、笑って)
「痛・・っ・・痛・・っ!・・・アハハ・・・・そうですね・・」

 

011

アダム

(笑顔で豪快に)
「休憩が終わったら、裏の鶏小屋の掃除をして、鶏たちに、エサをやっておいてくれ。・・ああ、タマゴがあったら、集めて、セルマんとこに届けておいてくれると助かる」

 

012

リック

(ちょっと物おじした様子で)
「あ・・はい!!わかりました!」

 

013

アダム

(ふと顔を外に向けて、うっとりした様子で、後半豪快に笑って)
「そういえば、さっきから、いい香りが漂ってくるんだが・・・この香ばしい香りは・・・今日の夕食は、わしの大好きなフライドチキンにマッシュポテト&グレイビーかな?こりゃあ、楽しみだな!ワハハハハ!!」

 

014

リック

(ひきつった笑いで)
「で・・・ですね・・・ハハハ・・・」

 

015

アダム

(リックの肩をバンッと叩いて、バックルーム側に抜けて)
「よし!それでは、もうひとふんばりしてくるとしよう!!じゃあ、リック、頼んだぞ!」

 
016
リック

(痛そうに顔をしかめて)
「痛・・っ!!!・・・・あ、はい・・・!」

 
017
リック

(肩をさすりながら、ベンチに腰をおろし、レポート用紙をひろげ、ペンを走らせながら)
「自分で思っているより・・ずっと腕力が強いので・・ボクの肩はいつも赤く腫れあがっています・・・でも、きっと、本人に悪気はないので・・・仕方ないんだけれど・・・もうちょっと、軽く叩いてくれれば、いいのにな・・・と、いつも思っています・・・」

 
018
リック

(考えながら、ペンを走らせて)
「それから、アダムさんのすぐ下にいるのが、農夫のケネスさんです。・・・ケネスさんは・・・農業のエキスパートです。・・特に野菜作りに関しては、彼の右に出るものはいない・・・」

 
019
ケネス

(正面側からやってきて、あたりを見回して)
「おかしいなぁ・・・どこへ行ったんだろう・・・?・・・あ!やあ、リック!ステファニーお嬢さんを見かけなかったかい?」

 
020
リック

(レポート用紙を隠すように、立ち上がって)
「あ、ケネスさん!・・・ステファニーお嬢様ですか?そういえば、さっき、外を散歩しているのを見かけましたけど・・・」

 
021
ケネス

(困ったように肩をすくめて)
「やれやれ・・・セルマに叱られて、おとなしくナンシー先生のレッスンを受けているかと思えば・・・ものの30分もしないうちに抜けだすんだから・・・本当、お嬢さんには、困ったもんだ・・」

 
022
リック

(弱々しく笑って)
「アハハ・・・ケネスさんは、ステファニーお嬢様のお世話係みたいですね・・・」

 
023
ケネス

(溜息まじりに首を振って)
「そうなんだよ!オラは、お嬢さんのお世話係じゃないのに・・毎日、振り回されてばかりだよ・・オラだって、自分の仕事でいっぱいいっぱいだっていうのにさぁ・・」

 
024
リック

(同情するように)
「大変ですね・・」

 
025
ケネス

(疲れたように肩を落として、正面側に抜けて)
「はぁ・・・仕方ない・・とりあえず、外を探してくるか・・・じゃあ、リック、また後で・・」

 
026
リック

(同情するように声をかけて)
「あ、はい!・・がんばってください・・!!」

 
027
リック

(苦笑しながら、ベンチに腰をおろし、レポート用紙をひろげ、ペンを走らせながら)
「だけど・・・どうにも押しが弱く、ここのお嬢様達や使用人達に振り回されてばかりのようです・・・正直、ケネスさんには、共感すら覚えます・・」

 
028
リック

(考えながら、ペンを走らせて)
「それから、マーティンさん。・・・彼は・・・ボクと同い年なのですが、ファームで飼っている・・・家畜の面倒を一手に・・任されている有能な人です。・・・アダムさんも、ケネスさんも・・・彼には・・かなり期待をしているようで・・・ボクも見習うところはいっぱいです」

 
029
マーティン

(正面側からやってきて、大袈裟に嘆きながら)
「あああ!!ジェニファー!!!何で、君はわかってくれないんだ!?・・・このボクが・・・この美しいボクが・・・こんなに・・・こんなにも、キミのことを想っているのに・・!!何故なんだ・・!?」

 
030
リック

(うんざりした様子で)
「まただ・・・」

 

031

マーティン

(リックに気づいて、あっさりと。後半はリックのレポート用紙に目をつけて、ニヤリと笑って)
「あれ?リック、そんなとこにいたのか。・・なぁ、何書いてんだよ?ははーん、誰かに、ラブレターかぁ??」

 

032

リック

(慌ててレポート用紙を隠して)
「ち・・違いますよっ!!」

 

033

マーティン

(ニヤリと笑って、リックに近づいて)
「そんな風に慌てて隠すところが、ま〜た怪しいなぁ・・・フフ・・ほら、ちょっと見せてみろよ!ボクがアドバイスしてやるからさぁ!」

 

034

リック

(マーティンにレポート用紙を取り上げられそうになり、慌てて)
「そ・・そんなんじゃないんですってば!!・・ボ、ボクは、ただ、家族に手紙を・・!!うああああ!!!」

 

035

マーティン

(ヒョイッとレポート用紙を取り上げ、目を通して、つまらなそうに、レポート用紙を投げて返して)
「どれどれ〜?・・・フン・・本当に家族への手紙かよ・・チッ・・つまんないなぁ・・・期待して、損したよ。ホレ・・・」

 

036

リック

(慌てて、レポート用紙を受け取って、ブツブツ文句を言って)
「ああああ!!!・・・もう、本当、ヒドイなぁ・・」

 

037

マーティン

(思いだしたように顔をしかめて)
「そんなことより、ジェニファーだよ!!もう、今日は散々だ!ジェニファーをフェスティバルに誘ったら、あっさり断られるし、その上、ショーンのせいで、誤解はされるし・・・その誤解を解こうと思ったら、あの、いつもはおとなしいセルマさんには叱られるし・・・」

 

038

リック

(ボソリと言って)
「自業自得だと思いますけど・・・」

 

039

マーティン

(自分に酔いしれたように)
「ああ!それにしても、ボクのどこがいけないんだ?こんなに、いい男、世界中、探したって、そういないだろうに・・!!まったく・・・ジェニファーの気持ちが、さっぱりわからないよ・・・!」

 

040

リック

(肩をすくめて呆れたように)
「はいはい・・・」

 

041

マーティン

(ふと時計を見て、明るく言ってバックヤード側に立ち去る)
「おっと、もうこんな時間か!そろそろ、サンディが休憩に入る頃だな!よし!今度こそ、サンディを誘うぞ!確か、誘う時は、さりげなく、スマートに・・だったな。よーし、ショーンのやつ・・ボクの実力を見せてやる!!」

 

042

リック

(呆然として、ベンチに座り込んで)
「・・・行っちゃった・・」

 

043

リック

(レポート用紙をひろげ、ペンを走らせながら)
「ただし・・女性の趣味と、あの女癖の悪さだけは・・・絶対に・・見習ってはいけないと・・・心に誓いました。・・・彼は、自分で自分の首を絞めていることに・・・気づいていない、かわいそうな人です・・」

 

044

リック

(思いだしたように、ペンを走らせながら)
「それから、ウェインさん。・・・彼はボクより、3つ程、年下なのですが・・・ボクと同じように・・こちらへは勉強のために・・きているようで・・・とっても、頭が良く・・・ファームの仕事というより・・・経営や会計を・・手伝っていることが多いみたいです・・」

 

045

ウェイン

(正面側からやってきて、嫌味っぽく)
「ああ・・・どうも、姿が見えないと思ったら、こんなところで休憩してたんですか」

 

046

リック

(慌ててレポート用紙を隠して立ち上がって)
「ああ・・!!ウェインさん・・!!」

 

047

ウェイン

(腕を組んで、嫌味っぽく)
「随分、余裕ですね。ボクの方は朝から大忙しで、水を飲むヒマすらないっていうのに・・」

 

048

リック

(慌てて言い訳して)
「い、いや・・ボクも・・あの、さっきまで・・・!!」

 

049

ウェイン

(ジロリと睨んで、責めるように)
「まあ、どうでもいいですけど。それより、昼頃に届いた農具の検品を行ったのはアナタですよねぇ?ちゃんと、数を確認したんですか!?今回、購入したピッチフォークは10本でしたよね?それなのに、さっき、ボクがチェックしたら、ピッチフォークが1本足りなかったんですが、どういうことですか!?」

 

050

リック

(困惑したように言い訳して)
「え・・・ボクが数えた時は・・きちんと10本・・・」

 

051

ウェイン

(リックを無視して、まくしたてるように、嫌味っぽく)
「まあ、アナタの実家はここより大きいファームをお持ちだそうで・・・幼い頃から、甘やかされて育てられたお坊ちゃんのアナタは、たかがピッチフォーク一本だろうと思うかもしれませんけど、その一本が大切なんです!そういうところをいい加減にやってると、どんどん、会計にひずみが生じて、最終的に経営なんてできなくなるんですよ!!」

 

052

リック

(仕方なく頭を下げて)
「え・・・あ・・・すみません・・・」

 

053

ウェイン

(リックを無視して、意地悪そうに笑いながら、後半は吐き捨てるように)
「だいたい、勉強にきているとかいって、仕事もロクに覚えず、オロオロしているだけで・・足手まといったら、ありゃしない!いつまで、お客様気分のつもりでいるつもりですか!?まったく・・・ボクの足をひっぱらないで下さいって言ったでしょう!?・・・だから、ボクは、イヤだって言ったんだ・・・」

 

054

リック

(しょんぼりして)
「はい・・・・・」

 

055

ウェイン

(言い捨てるようにして、正面側に抜けて)
「ともかく!アナタが頼まれた仕事なんですから、きちんと責任を持って最後まで対処して下さいね!!じゃあ、ボクは忙しいので!!」

 

056

リック

(首を傾げて、ベンチに腰を下ろしながら)
「おかしいな・・ボクが確認した時は確かに10本あったのに・・」

 

057

リック

(レポート用紙をひろげ、ペンを走らせながら、最後は独り言のようにつぶやいて、溜息をついて)
「ただ・・・彼は、ボクのことは嫌いなようで、事あるごとに辛くあたってきます・・・でも、間違ったことは・・言っていないので・・ボクは何も言い返せずに・・います・・・ああ・・ボクって、ダメなヤツ・・・はぁ・・・」

 

058

リック

(思いだしたように)
「それから・・・もう一人・・キースくんという男の子がいます。・・・ここのファームで・・・働く使用人達の中では・・・最年少の彼ですが・・ボクにとっては先輩です。・・・彼はいつも陽気で・・・元気いっぱい・・・実は、人使いが荒く、何でも押しつけるので、ボクにっとては悩みの種です・・・」

 

059

キース

(正面側から出てきて、リックに気づいて明るくからかうように)
「お!リックじゃん!なんだよ!先輩のオイラより先に休憩かー!?」

 

060

リック

(慌てて立ち上がって)
「あああ!!キースくん!!」

 

061

キース

(笑いながら)
「アハハハ!冗談だって!ま、さっき、セルマに、こっぴどく叱られちまったからな!オマエを、あんまり自分のいいようにコキ使うなって・・」

 

062

リック

(困惑した様子で)
「あ、いや・・・」

 

063

キース

(ちょっと申し訳なさそうに)
「オイラさ〜、ここじゃ、一番年下だろぉ?いっつも、上から用事を言いつけられる、使いっぱしりみたいな存在だったからさ〜。・・・オマエがここへ来た時、ようやく、オイラにも後輩ができたって、嬉しくって・・・つい・・・本当、悪かったな・・反省してる・・・」

 

064

リック

(キースに近寄って)
「そんな・・・謝らないでよ、キースくん・・」

 

065

キース

(鼻をこすりながら、笑って)
「ま、今度から、オマエに仕事を押し付けんのも、今までの半分くらいにしといてやっから!安心しろよ!オイラ、オマエのいい先輩でいたいもんなー♪ヘヘッ!!」

 

066

リック

(ひきつったように笑って)
「アハハ・・・」

 

067

キース

(明るく言って、正面側に抜けて)
「つーことで、休憩が終わったら、オイラんとこ、来いよ!今日は仕事が山積みだかんなっ!!覚悟しとけよっ!!じゃ、オイラ、行くわ!」

 

068

リック

(ベンチに腰を下ろし、ペンを走らせながら、ちょっと笑って)
「フフ・・・でも・・・すごくまっすぐで、単純で・・・本当は意外と・・いい子なのかも・・しれません。・・・もしかしたら、友達になれるかも・・・」

 

069

リック

(ペンを走らせながら、あっさりと)
「ひとまず、ファームの使用人はこれくらいでしょうか・・・後は・・・・お屋敷に仕えている・・・使用人達が何人かいますが、この人たちについては、また今度・・・」

 

070

マーシャ

(正面側から歩いてきて、口元に手をやり、リックに気づいて色っぽく、となりに座って)
「あ〜あ、今日は疲れたぁ〜!キャロルったら、意外と人使い、荒いんだから〜!・・・・あ〜ら、リック。こんなところで、どうしたの?私のこと、待っててくれたのかしら?」

 

071

リック

(焦った様子で立ち上がりかけて)
「あああ・・!!マーシャさん・・っ!!」

 

072

マーシャ

(リックの腕を掴んで、無理矢理座らせて、色っぽく)
「何、慌ててんのよ!ほら、座んなさいよ。それとも、あたしの隣りじゃ不満なわけぇ?」

 

073

リック

(バランスを崩してベンチに座り、慌てて姿勢を正して、俯いて)
「アワワ・・・い、いや・・そいういうわけじゃ・・っ!!」

 

074

マーシャ

(リックの頬を指先でなぞりながら、色っぽく笑って)
「フフ・・かわいい♪・・ねぇ、リック、ここでの生活にはもう慣れた?アナタ、お坊ちゃんっぽいから、農夫の仕事なんて、大変なんじゃなぁい?」

 

075

リック

(動転した様子で顔をそむけて)
「い、いや・・あの・・・はい・・っ!・・いや、大丈夫です・・っ!!」

 

076

マーシャ

(両手でリックの顔を無理矢理自分の方に向けて、妖艶に微笑んで)
「リック・・・こっちを向いて!・・ねぇ、あたしでよかったら、あなたのこと、いつでも、なぐさめてあげるわよ?」

 

077

リック

(驚いたように目を見開いて)
「えええ!?」

 

078

マーシャ

(片足をリックの膝の上にのせて、誘惑するように)
「あなたが知らないこと・・色々教えて、あ・げ・る♪」

 

079

リック

(慌てた様子で)
「あああ・・!!マ、マーシャさんっ・・!!!」

 

080

ショーン

(正面側からやってきて、含み笑いのまま、ちょっとバカにしたように)
「・・・ったーく、オマエら、何、こんなとこで、イチャイチャしてんだよ!・・・マーシャ!かあちゃんが、おもてで呼んでたぜ!あんまり、マジメな青少年、からかって遊ぶなよ!」

 

081

リック

(助かった〜という様子で)
「ああ!!ショーンさん・・っ!!」

 

082

マーシャ

(肩をすくめて立ち上がり、後半はリックに笑いかけて、正面側に抜ける)
「はいはい!・・・じゃあね、リック、続きはまた今度♪」

 

083

リック

(ホッとした様子で頭を下げて)
「助かりました、ショーンさん!ありがとうございます!」

 

084

ショーン

(ドカリとリックの隣りに腰を下ろして、ハットのツバをつつきながら)
「オマエもさあ、しっかりしろよ。あんな、薄っぺらいマーシャの誘惑なんかに負けてるようじゃ、マダマダだぜ。アイツは、あれが常套なんだ。あんな手にひっかかるのは、アホなマーティンくらいなもんで・・・」

 

085

リック

(しょんぼりした様子で)
「・・・はい・・」

 

086

ショーン

(大きくのびをしながら、後ろの時計を見て)
「ま、いーや。・・それにしても、今日は、忙しい一日だなぁ・・皆にコキ使われっぱなしで、もう、なんもやる気おきねぇぜ!!あ〜あ!!・・・チッ・・もう、こんな時間かよぉ!!」

 

087

リック

(懐中時計を取り出して、背後の大時計と時間を見比べて)
「あれ・・?この時計・・・遅れてる・・・?」

 

088

ショーン

(気ダルげに)
「あん?なーんか、言ったかぁ?」

 

089

リック

(懐中時計を見せながら)
「あの、ショーンさん!この大時計・・・どうやら、刻みが5分程、遅れているみたいです」

 

090

ショーン

(もたれていた上半身を起こして、眉をひそめ、シリアスに)
「5分・・・まさか・・?」

 

091

ショーン

(しばらくおいてから、ガクリと力を抜いて、明るくリックの肩を叩いて)
「ま、いっか〜!・・・1時間遅れてるってんなら、やべぇけど、5分ぐらい、たいしたことねーって!!オマエも、男なんだから、そんなちぃせぇこと、イチイチ、気にすんなよ!!アハハハ!」

 

092

リック

(ちょっとスネたように)
「・・・すみません・・」

 

093

ショーン

(立ち上がりながら、ニヤリと笑って大袈裟なアクションを加えながら)
「それより、さっさと仕事終わらせて、見に行ってみようぜ、ストリップ!!脱いでくれんのが、すげぇ色気ムンムンのキレイなお姉ちゃんだと、いいよなぁ〜!!・・・ああ・・・グラマーとデブを履き違えたような、化粧の濃いババアだけは、勘弁だぜ!!・・・ま、こんな田舎に来るくらいだから、そういうのも、覚悟しとかないとな・・・ちょっとくらいの年増でも、大目に見てやるか!」

 

094

リック

(困ったように立ち上がって)
「あ、いや・・!あの・・!!ボクは・・!!!」

 

095

ショーン

(リックを無視して、考えるように、すぐに陽気に言って正面側に抜ける)
「・・・・ん〜、仕方ねぇから、マーティンも誘ってやるか!あいつのことだから、きっと、二つ返事でオッケーだぜ!・・・じゃ、夕めしが終わったら、迎えに来っから!!準備しとけよ!いや〜、ストリップ、楽しみだなぁ〜!アハハハ!」

 

096

リック

(ショーンを追いかけるように)
「え・・!!あ・・・!!ショーンさん、待って!!」

 

097

セルマ

(バックヤード側から出てきて、リックの背後に立って、にっこり笑って)
「もうすぐ夕食よ、リック。今日はフライドチキンとマッシュポテトなの。早く着替えて、手を洗ってきてちょうだい」

 

098

リック

(大袈裟に驚いて)
「うあっ!!セ、セ、セルマさんっ・・・!!!」

 

099

セルマ

(にっこり笑いながらも冷たく言って、正面側に抜けて)
「食後のデザートにと、ハックルベリー・チーズケーキを焼いたのだけれど・・・リックはいらないわね♪・・・夕食の後は、ショーン坊ちゃんと、マーティンと三人でストリップを見にいくんですものね。本当、楽しそうね。・・・・じゃ!」

 

100

リック

(追いかけて)
「うああああ!!!セルマさん・・・!!!ち、ちがうんだ・・・!!ボ、ボクは・・・・・っ!!」

 

101

リック

(ガクリとうなだれてど真ん中で)
「ボ、ボクは・・・あああ・・・・・ママ・・・ボク・・本当に・・もう、帰ろうかな・・・」

 
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