019 Au clair de la lune I vol.1 L'Oiseau bleu :芝居用台本003  ・・・・・・・・・・・・・・

S-3 シーソーゲーム

  ■概要
主要人数:2人
時間:
3,50

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ミステリアス、ファンタジー

■キャスト
ニルス (男、18歳、ユーン家・二男)
シリル (男、18歳、マクファーソン家・長男)
クリス (男、14歳、幽霊)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-3 

001

クリス

(明るく)
「フフ・・あそこにいるのは、ニルスとシリルだ。二人はキングス・カレッジ・オブ・ヘイスティングスの監督生。アンジェにとっては先輩だね」

シーソーゲーム

002

クリス

(楽しそうに)
「ニルスはエグレッタ・サクラにいるトマの弟。シリルはパピヨンのミックやミシェルの幼馴染み。神経質でシニカルなニルスに対して、シリルはいつも温和でしなやか。性格が全然違う二人の会話をちょっと覗いてみない?」

      (口元に手をやり、不機嫌そうに考えこんでいるニルス。入口側からシリルがやってきて)
ニルス、シリル

003

ニルス

(独り言を言いながら、考え込むように)
「エグレッタ・サクラか・・・・何だって、兄さんはそんなところに・・?・・・もう、主のマルグリートさえいないというのに・・・一体、エグレッタ・サクラに何があるというんだ・・?」

 

004

シリル

(ニルスを見つけて後ろから近づき、穏やかに微笑みながら)
「エグレッタ・サクラが・・どうかした?」

TIME:3,50

005

ニルス

(驚いて慌てて振り返って、すぐにホッとした様子で)
「・・っ!?・・・はぁ・・・シリルか・・・脅かすな」

 

006

シリル

(軽く肩をすくめて)
「別に脅かしたつもりはないんだけど・・何も言わずに、いきなりいなくなるから、心配して探してたんだ」

 

007

ニルス

(不機嫌そうに)
「ああ・・悪かったな・・」

 

008

シリル

(楽しそうに優しく)
「フフ・・何かあった?」

 

009

ニルス

(不機嫌そうに目を伏せて)
「いや・・」

 

010

シリル

(探るようにニルスの顔を覗き込んで)
「また、ユーン先輩のこと?」

 

011

ニルス

(顔を上げて、声を荒げ、むきになって)
「何でそこで、兄貴の話が出てくるんだ!?」

 

012

シリル

(はじけるように笑い出して)
「プッ・・・アハハハ・・・!なるほどね・・・本当、わかりやすい性格してるよね」

 

013

ニルス

(不機嫌そうに横を向いて)
「オマエに言われたくない!」

 

014

シリル

(クスクスと笑いながら、ニルスの肩に寄りかかるように)
「で?今度は何があった?」

 

015

ニルス

(肩に置かれたシリルの手をはらって)
「フン・・・別に・・関係ないだろう」

 

016

シリル

(微笑んだまま、ゆっくりと歩いて足元を見ながら)
「マルグリート先輩が去ったエグレッタ・サクラで、何故か、ユーン先輩がフットマンとしてお仕えしていること?」

 

017

ニルス

(ちょっと驚いたように眉をひそめて)
「え・・?」

 

018

シリル

(立ち止まって振り返って、いたずらっぽく)
「それとも、ユーン家の跡継ぎの座を君に譲って、勝手に郊外に屋敷を購入したこと?」

 

019

ニルス

(驚いた顔で、声を荒げて)
「何で、オマエがそんなことを・・・っ!?」

 

020

シリル

(また、ゆっくりと歩きだして)
「本当、先輩も愛されてるよねぇ・・かわいい弟に・・フフ・・」

 

021

ニルス

(目を伏せて、忌々しそうに大袈裟に、後半は思い出したように)
「フンッ・・・誰があんな兄貴っ!!・・愛してるだって!?冗談じゃない!あんな奴、いなくなって、せいせいしている!・・・おい!それより、あのバカ兄貴が、エグレッタ・サクラでフットマンって・・?」

 

022

シリル

(ニルスのセリフにかぶせて、独り言のように優雅に)
「エグレッタ・サクラ・・・いつの時代も謎のヴェールに包まれた不思議な館だよねぇ・・・何の因果か、今は亡きエッフェンベルク伯のご子息が、今度の新しい主だっていうんだから・・・運命のいたずらってやつかな・・フフ・・・」

 

023

ニルス

(眉をひそめて)
「何を言ってるんだ・・?」

 

024

シリル

(にっこり微笑んで)
「いや、何でもないよ、独り言。・・・それより、スペンサー先輩のところへ挨拶に行こうと思ってるんだけど、一緒にどう?」

 

025

ニルス

(首を振って)
「いや・・遠慮しておく。さっき、会ったばかりだしな。・・・それに・・」

 

026

シリル

(あっさりと)
「それに?」

 

027

ニルス

(ちょっと困ったように目を伏せて)
「・・・スペンサー先輩は苦手だ・・・」

 

028

シリル

(軽く微笑んで)
「何で?先輩が監督生の頃は、あんなに尊敬してたじゃない・・いずれはスペンサー先輩のようになりたいって・・」

 

029

ニルス

(不機嫌そうに)
「・・・昔の話だ・・・今は・・・」

 

030

シリル

(指を一本ずつ立てて、いたずらっぽく)
「頭脳明晰、眉目秀麗、品行方正・・・輝かしき未来を約束されていた憧れの先輩が、後輩の屋敷で執事としてお仕えしているのが気に食わない?」

 

031

ニルス

(顔を上げて声を荒げて、すぐに我に返って丁寧に)
「・・・そういうわけじゃ・・っ!・・・ヴェルニエ伯爵家は、並み居る貴族に引けを取らない程の名門中の名門だし・・・」

 

032

シリル

(優しく笑って)
「でも、納得いかないんでしょう?そんな顔して言われても、説得力ないよ」

 

033

ニルス

(顔を上げて)
「兄貴にしろ、スペンサー先輩にしろ、何だってこんな・・・!二人とも学園を首席で卒業して、今でも生徒達の間で話題にのぼる程の監督生だったっていうのに・・・それなのに・・・!」

 

034

シリル

(遠くを見つめるように穏やかに、憂いを含んで)
「どんな人生が素晴らしいか・・なんて、其々の価値観次第だから・・・富みも地位も名誉も手にしたからって、幸せだとは限らないよ・・」

 

035

ニルス

(顔を上げて)
「シリル・・・?」

 

036

シリル

(一転、明るくにっこり笑って振り向いて、冗談めかして)
「さて、僕はスペンサー先輩のところに行ってくるよ。『挨拶に来るのが遅い!減点50点!!』なんて言われたら困るしね。じゃあ、また後で!」

 

037

ニルス

(立ち去るシリルの後ろ姿を見ながら軽く笑って、後半はまじめな顔でつぶやきながら立ち去って)
「フン・・・相変わらず、変なヤツ・・・フフ・・・ま、いっか。・・・それより、兄貴がフットマンって・・・アンジェは何か知ってるのか・・?」

 
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