019 Au clair de la lune I vol.1 L'Oiseau bleu :芝居用台本005  ・・・・・・・・・・・・・・

S-5 多事多難

  ■概要
主要人数:3人
時間:
5,30

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ミステリアス、ファンタジー

■キャスト
マーカス (男、22歳、ヴェルニエ伯爵家・執事、アルマンの甥)
シリル (男、18歳、マクファーソン家・長男)
クリス (男、14歳、幽霊)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-5 

001

クリス

(かわいらしく懐かしそうに、後半はいたずらっぽく)
「ほら、見てごらん。そこにいるのは、執事のマーカスだよ。彼はちょっと前にこの館にやってきたばかりの新人執事!あの姿を見てると思い出すなぁ!パピヨンの執事、アルマンの若い頃。タイムスリップしたのかと思うほどそっくりだよね。でも・・・どうやら性格は随分違うみたいだけど・・フフフ」

多事多難

002

クリス

(気づいたように、後半は楽しそうに)
「あ!向こうからやって来るのはゲストのシリルだね。彼はヘイスティングスの現在の監督生。マーカスも元監督生だったから・・新旧揃い踏みってところかな。さあ、のぞいてみよう!」

      (ファイルに目をやり、難しそうな顔をして歩いてくるマーカス)
マーカス、シリル、
クリス

003

マーカス

(チラリと懐中時計を見て)
「次のお客様がいらっしゃるのは・・・フム・・30分後か・・お出しする食事の用意は整っているし・・後は・・・セラーへ行って赤ワインのチェックをしておくか・・」

 

004

シリル

(爽やかに)
「スペンサー先輩!」

TIME:5,30

005

マーカス

(顔をあげて懐かしそうに、すぐにかしこまってお辞儀をして)
「おお、シリル!久しぶりだな。・・・っと、職務中だった。・・・ゴホン!・・・これは、マクファーソン様、ようこそおいで下さいました」

 

006

シリル

(ちょっと困ったように笑って)
「やだなぁ、先輩!そんな他人行儀な挨拶されると、背中がムズムズしちゃいますよ。いつも通りでお願いします」

 

007

マーカス

(顔をあげて、後半、崩して)
「そういうわけには・・・って、まあ、二人きりなら、いいか。でも、他のゲストがいらしたら・・・」

 

008

シリル

(あっさりと)
「はいはい、わかってます。・・・それにしても、先輩が執事だなんて、意外だったなぁ・・」

 

009

マーカス

(片手でメガネを持ち上げて)
「そうか?自分では割と似合っていると思うんだが・・」

 

010

シリル

(苦笑して)
「いや・・似合ってるとか、そういう問題じゃなくて・・・執事として、どこかのお屋敷にお仕えしなくてはいけない程、経済的に困っているわけではないでしょう?それなのに、なんで・・」

 

011

マーカス

(ため息まじりに)
「まあ、これには色々と事情がな・・。そもそもは、アルマン叔父に、どうしてもと頼まれて、ハウエル伯爵家の執事としてお仕えするようになったのが、きっかけだったんだが・・・」

 

012

シリル

(キョトンとして)
「ハウエル伯爵家?・・・って、ロミオ先輩やレオナルド先輩のところですか?」

 

013

マーカス

(軽く肩をすくめて)
「ああ。・・まあ、残念ながら、私が伺った時には、二人とも、館を去った後だったんだが・・」

 

014

シリル

(考えるように)
「そういえば、そうでしたね。お二人とも、次期後継者の権利を放棄したんでしたっけ・・・ハウエル伯爵家の次期当主は確か・・・」

 

015

マーカス

(興味なさそうに、後半は興奮した様子で)
「三男のサディアス様だが・・・フン・・あんなボンクラのことは、どうでもいいんだ。それより、問題は長女だ、長女っ!!」

 

016

シリル

(苦笑して、後半はちょっと考えて思い出したように)
「ハハ・・ボンクラって・・ひどいなぁ・・先輩・・・。ん?長女・・?・・ああ!!ルゥのことですか?」

 

017

マーカス

(不機嫌そうに)
「そう!その、ルイーザお嬢様だ!!・・・着任早々、良家の子女とは思えない程、破天荒に振る舞うお嬢様に手を焼く日々・・・!何とか、ハウエル伯爵に進言して、厳しいことで有名な名門ウェントワースに放り込んだんだが・・・ようやく静かな日々が送れると思ったら、あの悪魔っ!・・・こともあろうに、寮から、マルグリート宛に手紙を出したんだ!!」

 

018

シリル

(ちょっと驚いたように)
「マルグリート先輩に?・・・まさか、先輩が執事にふさわしくないから、やめさせてくれって?」

 

019

マーカス

(イライラした様子で、途中はルゥっぽく、最後は吐き捨てるように)
「そんな可愛い手で来るわけがないだろう、あの悪魔娘がっ!・・その逆だよ!・・・『私とマーカスは、実はひそかにつきあってるの。今は会えなくて寂しいけれど、休暇で帰省するのが、とても楽しみ!ああ、このことは、お父様や皆には秘密にしておいてね。マーカスはあの通り、頭がいいから、追求されても、上手く誤魔化してくれるだろうけど、彼を困らせたくないから♪』だとさ!!」

 

020

シリル

(堪えきれず噴出して大笑いして)
「プッ・・・アハハハハ!!!」

 

021

マーカス

(忌々しそうに舌打ちして)
「よもや、こんな手では来るとは思わなかった!チッ・・・子供だと思って甘く見ていたようだ・・!」

 

022

シリル

(楽しそうに笑って)
「アハハハハ!!」

 

023

マーカス

(不機嫌そうにシリルを睨んで)
「笑い事じゃないぞ、シリル!あの手紙のせいで、マルグリートには嫌味を言われるわ、ハウエル伯爵やヴェルニエ伯爵からは問い詰められるわ、アルマン叔父には叱られるわ・・・いくら違うと言い訳しても、二人の関係を隠すために私が嘘をついてるんじゃないかと、皆して疑う始末・・」

 

024

シリル

(笑いをこらえて)
「ククク・・!!こりゃあ、ルゥに一本とられましたね、先輩・・ププ・・」

 

025

マーカス

(憮然とした様子で、大袈裟に溜息をついて)
「おかげでハウエル伯爵家からは暇を出され、ここ、ヴェルニエ伯爵家でお仕えすることになったってわけだ。もちろん、ヴェルニエ伯爵の監視付きでな」

 

026

シリル

(楽しそうに)
「ハウエル伯爵家の執事は長く続かないって噂では聞いていたんですが・・・ププ・・・なるほど、そういう理由だったんですね」

 

027

マーカス

(軽く首を振って)
「私の後任はまだ決まっていないようだが・・・まだ見ぬその彼に心から同情するよ」

 

028

シリル

(ちょっと首をかしげて)
「・・・あれ?でも、元々、頼まれて仕方なく就いた任でしょう?わざわざ、ここでまで執事としてお仕えする必要は・・・」

 

029

マーカス

(強い口調で)
「濡れ衣を着せられたまま、すごすごと退散するなんて私のプライドが許さない。ここで、執事としての仕事をしっかりとこなし、汚名返上してやる。そして、いつか、あの悪魔娘に一泡吹かせてやるんだ!」

 

030

シリル

(苦笑して、後半思い出したように)
「ハハ・・・先輩らしいな・・・。・・ああ!ところで、ユーン先輩は、何故、エグレッタに?」

 

031

マーカス

(眉をひそめて、不機嫌そうに)
「・・・トマ?・・・フン!あんな奴のことは知らないな。・・そもそも、何故、奴のことを私に訊く?

 

032

シリル

(優しく笑って)
「え?だって、先輩達、仲良しじゃないですか!」

 

033

マーカス

(シリルを睨んで、後半は大袈裟に)
「おい!誰が仲良しだって!?悪いが、ヘイスティングス時代から、あいつと仲が良かったことなんて、一度もない!!あんな傲慢で、軽薄で、自分勝手な奴は、エグレッタの呪いにでもかかって、さっさと土に還ればいいんだ!そうすれば世の中、少しは平和になる!」

 

034

シリル

(肩をすくめて)
「やれやれ・・・本当、皆、素直じゃないなぁ・・」

 

035

マーカス

(シリルを睨んで)
「ん・・?何か言ったか、シリル?」

 

036

シリル

(明るく笑って)
「いいえ、なーんにも!それより先輩、よかったら、館内を案内してくださいよ!この館、本当に広くて・・さっきも、先輩を探してウロウロしていたら、厨房に迷い込んじゃって・・・」

 

037

マーカス

(ちょっと考えるように、後半は歩きながら立ち去って)
「そうだな・・・今からセラーに行くところなんだが、一緒に来るか?ここのワイン・コレクションは、一見の価値ありだぞ。・・そういえば、シリル・・監督生なんだってな・・・?

 
作品の無断使用、無断転載は禁止しており、行った場合は著作権法違反となります.
© Copyright 2021 VORTEX.