020 La reve des papillons I vol.3 Love from your Valentine :芝居用台本002  ・・・・・・・・・・・・・・

S-2 涙の数だけ

  ■概要
主要人数:3人
時間:


■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ハートフル、ファンタジー

■キャスト
ミック (男、ハウエル家・長男、ラ・レーヴ・デ・パピヨン・当主)
ディーナ (女、マクファーソン家・長女)
クリス (男、14歳、幽霊)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション

S-2

001

クリス

(思い出すように)
「パピヨンもちょっと見ない間に随分と雰囲気が変わった気がするなぁ・・あれ?ミック?あんなところで何してるんだろ?・・・」

涙の数だけ

002

クリス

(楽しそうに)
「おっと、むこうから来るのはディーナだ。ディーナは、シリルの妹でミックとミシェルの幼馴染。ま、色々と訳ありだけどね・・・さあ、ちょっとだけ、のぞいてみよう」

      (溜息まじりに目を伏せてソファに腰をおろしているミック。ディーナがやってきてミックに気づいて)
ミック、ディーナ、
クリス

003

ディーナ

(優しく)
「あら、ミック」

TIME:

004

ミック

(気づいたように顔を上げ、優しく微笑んで)
「え・・あぁ・・ディーナ・・」

 

005

ディーナ

(穏やかに)
「主役が、こんなところで独りぼっちなんて・・どうかしたの?」

 

006

ミック

(無理に笑顔を作って明るく)
「ハハ・・いや・・ほら、久しぶりのパーティーだったから、ちょっと、疲れちゃってさ・・」

 

007

ディーナ

(軽く目を伏せて、後半はミックを軽く睨んで)
「そう・・それならいいんだけれど・・・・・なーんて。相変わらず、言い訳が下手ね。そんな嘘に私が騙されるとでも思っているの?」

 

008

ミック

(ちょっと面食らったように)
「嘘って・・・いや、本当のことなんだけどな・・」

 

009

ディーナ

(ミックの顔を覗き込むようにして、後半は軽く歩きながら、ちょっとからかうように)
「ふーん、そう・・・なーんだ、つまらない。私はてっきり、大好きなミシェルに素敵な人が現れたものだから、やきもち焼きな王子様は、ご機嫌斜めなのかと思ったわ」

 

010

ミック

(訝しげに、後半は馬鹿にした口調で)
「素敵な人・・?ハンッ!まさか、あいつのことじゃないだろうね!?」

 

011

ディーナ

(あっさりと、後半は口元に手をあて考えるように)
「そう。エグレッタから来た、あの素敵な彼のこと・・・名前は・・何だったかしら・・?」

 

012

ミック

(そっぽを向いて不機嫌そうに)
「フンッ・・知らない・・」

 

013

ディーナ

(考え込むように、後半は思い出したようにポンッと手を打って、最後はミックを振り返って)
「マ・・マ・・マ・・・マーク・・マ・・マク・・・マクシミリアン様!・・であってるわよね?」

 

014

ミック

(うんざりした様子で、後半は投げやり口調で)
「そんな名前だったっけ。・・覚えてないなぁ〜」

 

015

ディーナ

(噴出して、明るく)
「ププ・・しばらく見ないうちに、随分、イイ男になったなぁ・・と思っていたけれど・・成長したのは外見だけで、中身は前とちっとも変っていないのね」

 

016

ミック

(不機嫌そうに)
「・・フン・・・悪かったね、子供で!」

 

017

ディーナ

(明るく)
「ミシェルが以前のように綺麗に笑うようになったのは、彼の功績でしょう?弟だったら、感謝するべきじゃない?」

 

018

ミック

(そっぽを向いて)
「・・誰がっ!!」

 

019

ディーナ

(ミックを無視して)
「ミシェルも色々と大変だったみたいね・・・レオナルド様とのこととか・・・」

 

020

ミック

(顔色を変えて、吐き捨てるように)
「・・その名前は聞きたくない!!」

 

021

ディーナ

(にっこり笑って)
「前はあんなに仲良しだったじゃない」

 

022

ミック

(顔を曇らせて、目を伏せたまま苦しげに)
「以前とは状況が変わったんだ・・・もう二度と・・っ!・・・二度と、その名前を、僕や姉さまの前で口にしないで・・!!」

 

023

ディーナ

(あっさりと)
「あら、ミシェルは、そんなこと、一言も言わなかったけれど・・」

 

024

ミック

(驚いたように顔を上げて)
「ディーナ・・・まさか・・姉さまに・・・!?」

 

025

ディーナ

(軽く肩をすくめて)
「ええ。普通に話をしたわ。レオナルド様との婚約を破棄した理由とか・・・そうそう、彼のお母様の話とか・・・」

 

026

ミック

(立ち上がって、激しく責めるように)
「冗談だろ!?何で、そんなこと姉さまに訊くのさっ!?無神経にも程があるよっ!!」

 

027

ディーナ

(動じない様子で)
「そう?」

 

028

ミック

(両手を握りしめて、俯いて吐き捨てるように)
「レオ兄さまとのことで、姉さまが、どれだけ傷ついて・・どれだけ苦しんだか・・・ディーナは知らないから・・・っ・・・!食事をすることも、笑うことも、部屋から出てくることさえできなくなった、あんな姉さまの姿を実際に見てないから・・・っ!!」

 

029

ディーナ

(穏やかに)
「そうね。知らないわ。憂いを含んだ横顔や、ちょっと痩せた身体を見れば、ミシェルがどれだけ辛い思いをしたのかは想像できるけれど・・・・・どんな気持ちでレオナルド様を・・・生涯、愛し続けると心に誓った相手を手放したのか、本当のところはわからない」

 

030

ミック

(悲壮感たっぷりにディーナを見て)
「だったら、何で・・・っ!?」

 

031

ディーナ

(じっとミックを見つめて)
「でもね、ミック。ミシェルはレオナルド様とのことを、後悔なんてしていないし、彼のことを恨んでもいないわ。少なくとも、全て忘れて、なかったことにしてしまおうなんて思っていない。・・・起きてしまった出来事、全てを自らの中で消化して、前に進もうとしている。・・・・ミシェルはね、あなたが思っている以上に芯の強い、しっかりした女性なの。・・・・・過去に囚われてしまっているのは、むしろあなたの方・・・」

 

032

ミック

(愕然とした表情で)
「何を言って・・・!!」

 

033

ディーナ

(穏やかだけれど、しっかりと)
「ミシェルを・・・大切な姉を守ろうと必死になっているけれど、あなたが本当に守りたいのは自分自身・・」

 

034

ミック

(激しく訴えるように)
「そんなことない・・っ!!僕は姉さまが・・っ!!姉さまのことが・・・っ!!」

 

035

ディーナ

(若干厳しい口調で)
「いつまで、そんな風に自分に言い訳をするつもり?姉さまが、姉さまが・・って、違うでしょう?優しいミシェルや、家族のような使用人達に守られた、このぬるま湯のような生活を手放したくないだけ・・・」

 

036

ミック

(激しく首を振って、訴えるように)
「違う・・っ!!!違う・・っ、違う・・っ、違う・・っ!!!・・・全部レオ兄さまが悪いんだ・・っ!!姉さまをあんな風に苦しめて!!必ず、幸せにするって約束したのに・・・っ!!!こんなことになるってわかってたら、結婚を許したりなんかしなかった!!レオ兄さまが・・・っ!!あんな奴、最初っから、いなければよかったんだ・・っ!!!いっそのこと、死んでくれれば・・っ!!」

 

037

ディーナ

(ミックの頬を叩いて、厳しく)
「甘えるのも、いい加減にしなさい!!」

 

038

ミック

(泣きながら)
「・・・うぅ・・っ・・・僕はただ・・・っ・・・姉さまのことを・・・っ・・・!!・・・うぅ・・・っ・・・!!」

 

039

ディーナ

(せつなく)
「あなたは蝶の城に君臨する王子なんかじゃない。・・・あなたもミシェルも、パピヨンという名の虫籠に捕らわれた哀れな蝶々・・」

 

040

ミック

(泣きながら、声を震わせて)
「うう・・っ・・・・・わかってた・・・・ずっと・・・守ってるなんて言いながら・・・皆に守られて・・・それが嫌だって・・反発しながら・・・本当は皆に構って欲しくて・・・・ずっと、そばに・・・っ・・・」

 

041

ディーナ

(穏やかに微笑んで)
「そうよね・・・わかってて、どうすることもできなかった・・・失うのが怖いから・・・」

 

042

ミック

(泣きながら、強く)
「・・・レオ兄さまとの話が破談になった時・・・正直、ショックだった・・・姉さまがようやく掴んだ、ささやかな幸せを・・・壊していったレオ兄さまのことが許せなかった・・・・」

 

043

ディーナ

(ミックを抱きしめて優しく)
「うん・・・」

 

044

ミック

(泣きながら、せつなく)
「・・・・けれど・・・心の奥底ではホッとしていたんだ・・・また、前みたいに皆で仲良く暮らしていけるって・・・」

 

045

ディーナ

(穏やかに)
「うん・・・」

 

046

ミック

(泣きながら、せつなく)
「・・・情けないよね・・・姉さまの幸せを一番に願うなんて、かっこいいこと言っておきながら・・・レオ兄さまを失って苦しんでいる姉さまが・・僕に依存してくれることを祈ってた・・・このまま、ずっと二人で生きていけるんじゃないかって・・・淡い期待まで抱いて・・・」

 

047

ディーナ

(穏やかに)
「虫籠の扉を開けられるのはあなただけ・・」

 

048

ミック

(泣きながら、ふるえて)
「解放してあげなきゃ・・いけないよね・・・」

 

049

ディーナ

(穏やかに)
「あなたも一緒に飛び立つのよ・・・」

 

050

ミック

(小さく頷いて)
「ん・・・・」

 

051

ディーナ

(ミックの肩を掴んで、口調をガラリと変えて、しっかりと)
「ほら、しっかりしなさい!男の子でしょう?」

 

052

ミック

(顔を伏せたまま軽く笑って)
「フフ・・ズルいよ・・こんな時だけ男の子って・・・」

 

053

ディーナ

(明るくあっさりと)
「だって、女の子だもの」

 

054

ミック

(涙を拭いながら、微笑んで)
「ディーナってさ・・・意地悪だよね・・・」

 

055

ディーナ

(にっこり笑顔で)
「あら?長いつきあいなのに、知らなかった?」

 

056

ミック

(天井を向いて、手をひらひら振って)
「降参・・!」

 

057

ディーナ

(心配そうに)
「それより・・頬・・痛かった?」

 

058

ミック

(ちょっと拗ねたフリをして、後半は文句を言うように)
「かなり強烈な一発だった。顔は男の命なんだから、少しは手加減してくれたって・・・そんなんじゃ、いつまでたっても、相手が見つからないよ、凶暴ディーナ!」

 

059

ディーナ

(あっさりと)
「心配して損したわ。お生憎様、私には素敵な相手がいるから」

 

060

ミック

(驚いたように)
「え?そんな話、一言も・・・!?

 

061

ディーナ

(明るく、後半はミックをのぞきこんで)
「だって、言ってないもの。フフ・・・やっぱり、今の方が、いい顔してる。王子様はそうでないと・・」

 

062

ミック

(おどけたように)
「殴られて、顔の形変わったからじゃない?

 

063

ディーナ

(あっけらかんと言って、立ち去ろうとして)
「じゃあ、感謝してもらわなくちゃ。・・なんか、お腹が空いちゃったわ・・・セシーの焼いたクレープ、まだ残ってるかしら?」

 

064

ミック

(微笑んでつぶやいて)
「・・・ありがとう・・・ディーナ・・・

 

065

ディーナ

(振り返って)
「ん?何か言った?」

 

066

ミック

(満面の笑みで答えて、ディーナを追い越して)
「ううん。なーんにも・・っ!・・・フフーン!先にクレープ、いただきーっ!!じゃあね!

 

067

ディーナ

(慌てて追いかけて)
「ちょっと、ミック、待ちなさいっ!!

 
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