020 La reve des papillons I vol.3 Love from your Valentine :芝居用台本003  ・・・・・・・・・・・・・・

S-3 虚無と執着

  ■概要
主要人数:5人
時間:


■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ハートフル、ファンタジー

■キャスト
スヴェン (男、25歳、エグレッタ・サクラ・家令)
ディーナ (女、マクファーソン家・長女)
マックス(男、24歳、エッフェンベルク家・長男、エグレッタ・サクラ・当主)
ミシェル (女、19歳、ハウエル家・長女)
クリス (男、14歳、幽霊)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション

S-3

001

クリス

(気づいたように)
「あれ?あそこにいるのは、ディーナかな?彼女はミックとミシェルの幼馴染。ああ、シリルと兄妹だって知ってた?・・ふーん・・どうやら、探し物をしているみたいだね」

虚無と執着

002

クリス

(楽しそうに)
「おっと、むこうから来るのはマックスの右腕、スヴェンだね。へぇ、パピヨンで彼の姿を見かけるとは思わなかったなぁ・・!エグレッタでの生活もすっかり板についたっていうか・・漂わせている雰囲気がエグレッタそのものだよね・・・あれ・・・そういえば、彼って、元々・・・フフ・・・そっか・・・これは楽しくなりそうな予感!何がって?ほら、見てればわかるよ。・・・多分ね」

      (ソファの辺りで探し物をしているディーナ。通り過ぎようとして、ディーナに気づき、近寄るスヴェン)
スヴェン、ディーナ、
マックス、ミシェル、
クリス

003

スヴェン

(軽く会釈して、ディーナに声をかけて)
「失礼致します。お嬢様、いかがなさいましたか?」

 

004

ディーナ

(スヴェンを振り返って)
「ああ・・・ごめんなさい・・・イヤリングを片方落としてしまったみたいで・・・」

TIME:

005

スヴェン

(丁寧に)
「落し物ですか。それはいけません。一緒に探しましょう」

 

006

ディーナ

(軽く微笑んで、もう片方のイヤリングを見せて)
「ありがとう。・・・これなんだけれど・・・」

 

007

スヴェン

(ソファの周囲を探しながら)
「こちらで落とされたのですか?」

 

008

ディーナ

(ちょっと考え込むように)
「ええ・・・多分・・・サロンで鏡を見た時は確かにつけていたから・・・その後、ここでミックと話をして・・・ホールに向かう廊下で、片方、ないことに気が付いたの・・」

 

009

スヴェン

(辺りを真剣に探しながら)
「左様ですか・・・どなたかが見つけて拾っておいて下さったということはないでしょうか?」

 

010

ディーナ

(腕を抱えるように組んで、困った様子で)
「ミックやミシェルにも訊いてみたし、執事のアルマンや家政婦のセシリア・・もちろん、メイド達にも尋ねたわ・・・でも、皆、知らないって・・はぁ・・・困ったわ・・」

 

011

スヴェン

(辺りを真剣に探しながら、丁寧な口調で)
「そんなに小さなものではないですから、あれば見つかるとは思うのですが・・・もし、こちらで落とされたのではないとなると厄介ですね。こちらのお屋敷は随分と広いようですし・・」

 

012

ディーナ

(心配そうな様子で)
「廊下には落ちていなかったから・・・落とすとしたら、ここしか、考えられないのだけれど・・・」

 

013

スヴェン

(辺りを真剣に探しながら、丁寧な口調で)
「余程、大切なものなのですね・・」

 

014

ディーナ

(ちょっと躊躇したように、目を伏せて悲しそうに)
「・・・ええ・・・決して高価なものではないけれど・・私にとっては、とても大切なイヤリングなの・・・母の・・・亡くなった母の形見なんです・・」

 

015

スヴェン

(ちょっと驚いたようにディーナを見て、穏やかに微笑んで)
「それは・・・!必ず、見つけなくてはいけませんね。・・・大丈夫ですよ、きっと見つかります。本当に大切な物は本来の持ち主の元へ必ず戻ると言いますしね」

 

016

ディーナ

(はにかんだように、後半は気づいたように)
「・・・ありがとう・・・・そういえば、初めてお見かけするけれど・・パピヨンの新しい使用人の方?・・・・ああ・・・わたくし、失礼だったかしら・・・・招待客のお一人だったら、ごめんなさい・・・」

 

017

スヴェン

(軽く微笑んで)
「フフ・・・わたくしは、こちらの使用人でもゲストでもございません。こちらには主人のお供で参りました。本日は、こちらのお屋敷の手伝いをするようにと仰せつかっております」

 

018

ディーナ

(穏やかに)
「そうだったの・・・」

 

019

スヴェン

(まっすぐに立って、恭しくお辞儀をしながら)
「申し遅れました。わたくし、エグレッタ・サクラにて家令を務めさせていただいております、スヴェン・ライヒアルト・カシュニッツと申します。我が主の名は、マクシミリアン・ディートリヒ・エッフェンベルク。以後、お見知りおきを・・」

 

020

ディーナ

(スカートの裾を持って、上品にお辞儀をして、後半はガラッと変えて明るく)
「はじめてお目にかかります。わたくし、ディーナ・グラディス・マクファーソンと申します。こちらの主のミックやミシェル・・・いえ、マイケル様やミシェル様とは幼き頃より親交を深めて参りました・・・なんて、こんな堅い挨拶をしたのは久しぶりだわ。フフ・・・私のことはディーナって呼んでちょうだい。よろしくね、スヴェン」

 

021

スヴェン

(穏やかな笑みを浮かべながら、胸に手を置き軽く会釈して)
「かしこまりました。ディーナ様・・・・」

 

022

ディーナ

(ソファの周りを探しながら、肩をすくめて)
「それにしても・・・久しぶりにここを訪れたら、すっかり様変わりしてしまっていて・・・調度もだいぶ新しいものに変わっているようだし・・」

 

023

スヴェン

(辺りを探しながら優しく)
「わたくしは、こちらにお邪魔するのは初めてなのですが・・どのお部屋も柔らかな陽の光がいっぱいに差し込むよう設計された、明るく穏やかな館ですね・・」

 

024

ディーナ

(クスリと笑って、後半はソファの下にイヤリングを見つけて)
「フフ・・そうね、それだけは、昔から変わらないかしら・・・・あら??あれって・・もしかして・・・!!」

 

025

スヴェン

(ディーナを振り返って)
「いかがなさいました?」

 

026

ディーナ

(ソファの下に手を伸ばしてとろうとして)
「ん・・・この下に、チラリと光るものが見えたのだけれど・・・んん・・っ・・・届かない・・・」

 

027

スヴェン

(かがむようにしてディーナを伺って)
「ディーナ様、ちょっと失礼してもよろしいですか?」

 

028

ディーナ

(立ち上がって場所を譲りながら)
「あ・・ええ・・・」

 

029

スヴェン

(おもむろにジャケットを脱いで、ソファにかけて、シャツの袖口のボタンを外しながら、しゃがみこんでソファの下をのぞきこみながら)
「どちらでしょう?」

 

030

ディーナ

(スヴェンのとなりにしゃがんで)
「ほら、あの隅の方に・・・見えるかしら?」

 

031

スヴェン

(シャツの右袖口をひじの辺りまでまくって、ソファの下に手を突っ込んで)
「ああ、あれですね・・・ん・・っ・・・・あと少し・・・っ・・・」

 

032

ディーナ

(スヴェンの腕の傷を見て、ちょっと驚いたように口元を手で覆って)
「あ・・・・っ・・・傷・・・?それって・・・」

 

033

スヴェン

(ディーナの様子に気づかず、腕を伸ばしてイヤリングをとって、片膝をついたまま、ゆっくりとディーナに向けて手をのばし、閉じた手のひらをゆっくりと開く)
「んん・・・っ・・・・っと・・・・こちらでよろしかったでしょうか?」

 

034

ディーナ

(パッと笑顔を浮かべて嬉しそうにイヤリングを受け取りながら)
「そう!これよ!・・・よかった・・・・・ありがとう、スヴェン」

 

035

スヴェン

(シャツの袖をなおしながら、軽く微笑んで)
「いえ、わたくしは何も・・・見つけたのはディーナ様ですから・・」

 

036

ディーナ

(遠慮がちにスヴェンに声をかけて)
「あの・・・・スヴェン・・・」

 

037

スヴェン

(ジャケットをとりながら振り返って)
「はい・・?」

 

038

ディーナ

(困惑した表情で)
「その・・・腕の傷・・・」

 

039

スヴェン

(反射的に右腕を庇うようにして、一瞬、躊躇したように、すぐに目を伏せて穏やかに)
「・・・っ・・・・!・・・大変失礼を致しました。お見苦しいものをお見せしてしまいました・・」

 

040

ディーナ

(心配そうに)
「そんなこと・・・でも・・・大丈夫なの?」

 

041

スヴェン

(軽く微笑んで)
「フフ・・・どうぞ、ご心配なさらず・・・幼い頃におった古傷です・・・痛みは全くないのですが、このように醜い傷痕だけが残ってしまいました・・・」

 

042

ディーナ

(気まずそうに、後半は何かを思い出すようにこめかみに手をあてて)
「・・・そう・・・ごめんなさい・・・・ん・・・・」

 

043

スヴェン

(ジャケットを着ながら、穏やかに)
「どうか、そんな顔をなさらないで下さい。本当に大丈夫ですから・・・」

 

044

ディーナ

(独り言のように呟いて)
「スヴェン・・・?・・・いえ・・・違う・・・」

 

045

スヴェン

(訝しげにディーナを見て)
「ディーナ様・・?」

 

046

ディーナ

(目を伏せたまま、思いだすように)
「私、あなたにどこかで会ったことがあるわ・・・・」

 

047

スヴェン

(眉をひそめて戸惑った様子で)
「・・・まさか・・・ディーナ様とお会いするのは今日がはじめてです・・・」

 

048

ディーナ

(古い記憶を辿るように、スヴェンに背を向けて)
「遠い昔に・・・・お母様と・・・あれは確か・・・・エグレッタ・・サクラ・・・?」

 

049

スヴェン

(困惑した様子で)
「・・・エグレッタ・サクラですか?それは、わたくしがお仕えしている・・・」

 

050

ディーナ

(スヴェンを遮って、ゆっくりと動きながら、こめかみに両手をあてて)
「違うわ・・・もっと、ずっと、ずっと昔の話・・・・あれは・・・あの人は・・・誰・・・?」

 

051

スヴェン

(困ったように微笑んで、ディーナに近寄って)
「ディーナ様・・・いったい何を・・・・?」

 

052

ディーナ

(思い出すように目を閉じて)
「あなた・・・スヴェンじゃないわ・・・・」

 

053

スヴェン

(動きを止めて、戸惑った表情でディーナを見て)
「何をおっしゃっているのですか・・?わたくしは・・・」

 

054

ディーナ

(思い出したように呟いてスヴェンを振り返って、しっかりと)
「マックス・・・・そう・・・マクシミリアン・・!あの方は、あなたをそう呼んでいらしたわ・・・!」

 

055

スヴェン

(ちょっと怯えた様子で一歩下がって)
「・・・マクシミリアン・・・・っ・・・・」

 

056

ディーナ

(後ずさるスヴェンの両腕を掴んで)
「そうよ、あなたはマクシミリアン様!」

 

057

スヴェン

(怯えた様子で顔を背けて)
「・・っ・・!・・・ち・・・違う・・・っ・・・!!わたくしは、そんな名前では・・・っ・・!!」

 

058

ディーナ

(首を振って力強く)
「違わないわ!だって、あの日、エグレッタ・サクラで、そう紹介されたもの!・・・そう!ヴァルトエック男爵に・・!!」

 

059

スヴェン

(ディーナを振り払って、胸元を抑えて苦しそうに、少しずつ後ずさりながら)
「・・っ・・!!!・・・ヴァルトエック・・・男爵・・・!!」

 

060

ディーナ

(スヴェンを追い詰めるように近寄り、右手首を掴んで持ち上げて)
「間違いないわ・・だって、その傷・・・あの時も同じように尋ねたのよ、私・・・大丈夫かって・・・痛くないのかって・・・」

 

061

スヴェン

(ソファにぶつかって、倒れ込むようにドサリと座って、首を振りながら)
「・・やめ・・・っ・・・・違う・・・っ・・・・違う・・っ!!!」

 

062

ディーナ

(少し怯んだ様子で)
「何故、あなたがここにいるの?エグレッタ・サクラでお仕えしているって・・・・それに、スヴェンだなんて・・・・違うでしょう?あなたはヴァルトエック男爵子爵・・・・・」

 

063

スヴェン

(ディーナの手を振り払って胸元を抑えて、呼吸困難に陥ったように取り乱しながら)
「・・違う・・・っ!!!ハァ・・・ハァ・・・・違・・・うんだ・・・っ!!!・・・うぅ・・っ・・・・違・・・っ・・・許して・・・っ・・・・うう・・っ・・・苦・・・し・・・・っ・・・」

 

064

ディーナ

(驚いたようにスヴェンに近寄り、肩に手をまわし、後半は大きな声で人を呼んで)
「どうしたの!?大丈夫!?・・・何で・・・っ!?・・・誰か・・・っ!!・・・誰かーーーーーっ!!!」

 

065

マックス

(気だるげに歩いてきて、二人の様子に驚いて近寄り)
「おや、どうかしましたか?・・・スヴェン・・・?・・・おい、スヴェン、どうしたんだ!?」

 

066

ディーナ

(取り乱した様子でマックスにすがって)
「ああ・・っ!!・・・私達、話をしていただけなのに・・・!!ヴァルトエック男爵のお名前を出したら、いきなり苦しみ出して・・・っ!!私、どうしたらいいか・・・っ!!・・ああ・・・私のせいだわ・・・っ!!」

 

067

マックス

(一瞬険しい顔をして呟いて、その後、落ち着いた様子でディーナをしっかり立たせて)
「ヴァルトエック!?・・・っ・・・!大丈夫です、ディーナ様。どうか落ち着いて!どなたか呼んできていただけますか?お願いします」

 

068

ディーナ

(胸元を抑えて心配そうに何度も頷いて立ち去って)
「え・・・ええ・・っ!!」

 

069

マックス

(スヴェンの両腕を掴んで揺すって強い口調で)
「おい!スヴェン、しっかりしろ!!スヴェン!!」

 

070

スヴェン

(目を閉じて苦しそうに)
「・・・やめ・・・っ・・!!苦・・しい・・・・っ・・・!!・・どうか・・・っ・・・!!・・・助け・・・て・・・っ・・・・違・・・う・・っ!!・・・そんなことを・・・望んで・・・いたわけでは・・・っ・・・!!・・・違うんだ・・・っ!!・・嫌だ・・・っ・・・嫌だ・・・っ!!・・・逝かない・・・で・・・っ!!・・・お願い・・・っ・・・・だから・・・っ・・!!」

 

071

マックス

(訴えるように)
「スヴェン、聞こえてるかっ!?戻って来い!!しっかり目を開いて、私を見るんだ!!いいか!私の目を見ろ!!!・・・私が誰だかわかるか!?」

 

072

スヴェン

(ゆっくり目を開けて喘ぐように)
「・・・うぅ・・・っ・・・ハァ・・ハァ・・・マク・・・シミリ・・アン・・さ・・ま・・・っ・・・!!」

 

073

マックス

(力強く言い聞かせるように)
「そうだ、スヴェン!マクシミリアンは私だ!!目をそらすんじゃない、じっと見つめていろ!!いいか、おまえは、スヴェンだ!!他の誰でもない!!この世にただ一人・・・スヴェン・ライヒアルト・カシュニッツだ!」

 

074

スヴェン

(喘いだまま、苦しそうに呟いて)
「・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ングッ・・・!・・・ス・・ヴェン・・・わた・・・し・・は・・・スヴェ・・ン・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

075

マックス

(スヴェンを抱きしめて)
「ああ、そうだ!おまえはスヴェンだ!おまえが望むなら、何度でも呼んでやる!!私だけが・・おまえの名を!!!スヴェン!スヴェン!!・・・スヴェン・・!!・・・・だから、戻って来い!!!」

 

076

スヴェン

(目を閉じて首を伸ばし、硬直したように震えながら)
「・・・ハァ・・・ハァ・・・わたしは、スヴェン・・・あの日・・・マクシミリアン様に・・・ハァ・・・わたしの命を・・・捧げると・・・ハァ・・・ハァ・・・忠誠を・・・誓った・・・・」

 

077

マックス

(スヴェンを抱きしめて)
「そうだ!・・・おまえの主は義父ではない!!・・・・私だ!!・・・マクシミリアン・ディートリヒ・エッフェンベルクだ!!・・・死が二人を分かつ時まで・・・その時まで・・・おまえの名を呼び続けると約束しただろう・・・!」

 

078

スヴェン

(ゆっくりと目を開いて、呼吸を整えながら、しっかりとした口調で)
「・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・マックス様・・・申し訳ございません・・・もう、大丈夫です・・・」

 

079

マックス

(スヴェンを離して、じっと見つめてから、ふと微笑んで)
「フ・・・よかった・・・・」

 

080

ミシェル

(ディーナと二人、心配そうにマックスとスヴェンに駆け寄って)
「マクシミリアン様・・っ!?何があったのですか?大丈夫ですか?」

 

081

マックス

(気だるげに髪を掻き上げて、優しく)
「ああ・・・ミシェル様・・・何でもありませんよ。このところ色々と忙しかったから、疲れていたのでしょう・・・ちょっとした発作で・・・」

 

082

スヴェン

(すっと立ち上がり、丁寧にお辞儀をして)
「大変、ご迷惑をおかけ致しました。わたくしは大丈夫でございます」

 

083

ディーナ

(心配そうにスヴェンに近寄って)
「・・・本当に・・・・本当に大丈夫なのですか?」

 

084

スヴェン

(穏やかにディーナに話しかけて)
「ええ。ご心配をおかけして申し訳ございませんでした、ディーナ様」

 

085

マックス

(ミシェルとディーナをエスコートして)
「さあ、サロンに戻りましょう。他の皆様が心配する前に・・」

 

086

ミシェル

(少し不安そうな顔つきで、最後は立ち止まっているディーナを促すように)
「・・ええ・・そうですわね・・参りましょう。・・・ね、ディーナ?」

 

087

ディーナ

(腑に落ちない様子で)
「・・・ええ・・」

 

088

スヴェン

(渋々立ち去ろうとするディーナを呼び止めて、しっかりと)
「ディーナ様!・・・先程のご質問ですが・・・わたくしの名は生まれた時から、スヴェンでございます。どなたか、別の方と勘違いされているのでございましょう。・・・ヴァルトエック男爵とは一切、面識はございませんし、無関係でございます」

 

089

ディーナ

(困惑した様子で、最後は目を伏せて)
「・・・っ・・・。そう・・ですか・・それは失礼を致しました・・」

 

090

スヴェン

(深くお辞儀をして)
「いえ・・・」

 

091

ミシェル

(優しくディーナを促して)
「・・ディーナ・・?」

 

092

スヴェン

(三人が立ち去るまでお辞儀したままで、いなくなった後、ゆっくりと顔をあげ)
「ええ・・・ヴァルトエック男爵とは・・あの方とは・・・もう、何の関係も・・・・我が主は・・・マクシミリアン様、唯一人でございます。今までも・・・これからも・・・・」

 
作品の無断使用、無断転載は禁止しており、行った場合は著作権法違反となります.
© Copyright 2021 VORTEX.