020 La reve des papillons I vol.3 Love from your Valentine :芝居用台本004  ・・・・・・・・・・・・・・

S-4 100粒の涙

  ■概要
主要人数:4人
時間:


■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ハートフル、ファンタジー

■キャスト
ミシェル (女、19歳、ハウエル家・長女)
マックス(男、24歳、エッフェンベルク家・長男、エグレッタ・サクラ・当主)
スヴェン (男、25歳、エグレッタ・サクラ・家令)
クリス (男、14歳、幽霊)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション

S-4

001

クリス

(悲しげに)
「レオとの結婚を夢見ていたミシェル・・・リリィが仕立てた純白のウェディングドレスは、さぞや、彼女に似合ったことだろう・・・でも、残念ながら、レオはここにはいない・・・これから先も戻ることはない・・・二人は別々の道を歩き始めてしまったから・・」

100粒の涙

002

クリス

(せつなく穏やかに)
「結婚話が破談になって以来、食べることも、眠ることも・・・笑うことさえ忘れてしまった彼女を秘かに励まし支え続けたのが、ほら、そこにいるマックス。まあ、彼の方はそんなことには、気づいていないのかもしれないけれど。・・・でも、そんなマックスにも・・・。フ・・・やめておこう。・・今は・・今だけは、そんな二人を静かに見守ることにするよ」

      (シャンパングラスを片手に並んで歩いてくるマックスとミシェル)
ミシェル、マックス、
スヴェン、クリス

003

ミシェル

(手元を見つめたまま穏やかに)
「本当に来てくださるとは、思っていなかったわ」

 

004

マックス

(ミシェルを優しく見つめて)
「何故ですか?・・フフ・・約束したでしょう?お声を掛けて下さったら、いつでも、馳せ参じますと・・・」

TIME:

005

ミシェル

(胸元に手をあて、ちょっと心配そうに)
「パーティーのお手伝いまでしていただいて・・・ご迷惑じゃなかったかしら?」

 

006

マックス

(目を伏せて、軽く笑って)
「フフ・・・ちっとも。こんなお願いでしたら、いくらでも・・」

 

007

ミシェル

(小さく微笑んで、軽く会釈して)
「・・・ありがとう。我が家は男性使用人が少ないから・・・本当に助かっています。スヴェンさんは、噂に違わず、とても有能な方だし・・セルジュもよく働いてくれている・・・」

 

008

マックス

(穏やかに)
「伝えておきます。きっと、二人とも喜びますよ」

 

009

ミシェル

(何かに気づいたように)
「ああ・・・」

 

010

マックス

(軽く首をかしげて)
「どうか、なさいましたか?」

 

011

ミシェル

(一瞬躊躇してからマックスの襟元のバラを手で示して)
「あ・・いえ・・たいしたことではないの。先程から、とても良い香りが漂ってきていたから・・・ずっと不思議に思っていたのだけれど・・・ほら・・それ・・・」

 

012

マックス

(自分の胸元を見て)
「え?私の・・・薔薇・・ですか?」

 

013

ミシェル

(穏やかに)
「ええ。エグレッタの青き薔薇・・・強すぎず、弱すぎず・・・決して自己主張しすぎない・・・けれど、存在感のある・・・とても上品な香り・・・こんな素敵な薔薇に囲まれて暮らしていらっしゃるなんて、ちょっと羨ましいわ」

 

014

マックス

(笑いながら大袈裟なジェスチャーを加えながら)
「ハハ・・・そんなにお気に召されたのであれば、庭中の薔薇を摘んで、両腕に抱えきれない程の大きな花束にして、こちらにお届けにあがりましょう。噎せ返るような薔薇の香りと共に・・」

 

015

ミシェル

(口元に手をやり小さく笑いながら)
「フフフ・・・嬉しいけれど、そんなことをしたら、私が庭師のアレクに恨まれてしまうわ。それに・・・あの薔薇は、エグレッタで咲いているから美しいのでしょう?」

 

016

マックス

(優しく労わるように)
「フ・・・やっと以前のような笑顔を見せてくれましたね」

 

017

ミシェル

(胸元に手をやり、ちょっと困ったように)
「あら・・・そんな・・・」

 

018

マックス

(ミシェルを見つめて)
「貴方にはその方が似合っている・・」

 

019

ミシェル

(シャンパングラスをテーブルに置いて、目を伏せ憂いがかった表情で微笑みながら悲しげに)
「・・・・。マクシミリアン様・・・私・・・上手に笑えているかしら・・・?」

 

020

マックス

(ちょっと驚いたように立ち止まって)
「え・・?」

 

021

ミシェル

(顔を上げて振り返ってマックスを見つめ)
「貴方の瞳に映っている私は・・・本当に以前と変わらない・・・?」

 

022

マックス

(シャンパングラスを置いて、困惑した様子で)
「ミシェル様・・・?」

 

023

ミシェル

(足元を見つめて軽く微笑んで)
「ごめんなさい・・・変な質問をして・・・。困らせるつもりはなかったの・・」

 

024

マックス

(躊躇したように)
「いや・・・」

 

025

ミシェル

(一人歩きながら遠くを見つめて)
「ねぇ、マクシミリアン様・・・私・・・死んでしまったんです・・・」

 

026

マックス

(驚いた表情で)
「え・・?」

 

027

ミシェル

(斜め下に目線を落としながら)
「もう、ご存じでしょうけれど・・・先日、正式にレオナルド様との婚約を解消致しました」

 

028

マックス

(何と声をかけていいのかわからず)
「それは・・・!」

 

029

ミシェル

(マックスを振り返って、せつなく微笑んで、後半は胸元に手をやり、また遠くを見つめて)
「でも、誤解しないで下さい。レオナルド様は・・・彼は決して不実な方ではありません。・・・本当にどこまでも、まっすぐで・・・まっすぐすぎて・・・周囲の人達の為なら、自分の身を犠牲にすることも厭わない・・・」

 

030

マックス

(声をかけようとして躊躇して)
「あ・・・・」

 

031

ミシェル

(胸元の手をギュッと握りしめてせつなく)
「だから、彼にとって今回のことは・・・きっと、苦渋の選択だったのだと・・・頭では、わかっているのに・・・・それなのに・・・どうしても・・・心がついていかなくて・・」

 

032

マックス

(手を伸ばそうとしてやめて)
「ミシェル様・・・・っ・・・」

 

033

ミシェル

(泣きそうになるのをグッと堪えて、何とか微笑もうとして)
「レオとは・・・幼い頃からずっと共に過ごしてきて・・・一緒に泣いたり、笑ったり・・・二人きりで遠くまで遊びに行って、叱られたり・・・いつも近くにいるのが当たり前で・・・彼をを好きになるのは、ごく自然なことだと・・・」

 

034

マックス

(悲しそうにミシェルから目をそらして)
「・・・っ・・・」

 

035

ミシェル

(空を掴むように手を伸ばして、せつなく)
「彼と結婚して・・・彼の子供を産んで・・・幸せな家庭を築いて・・・そうして、一緒に年を重ねていくんだと・・・疑わなかった」

 

036

マックス

(苦しそうに)
「・・もう、それ以上・・・」

 

037

ミシェル

(胸の前で両手を震わせて、手から砂が零れ落ちるように)
「彼が私の元を去ったあの日・・・あんなに光り輝いていた世界が・・・一瞬で色褪せて・・・気づいたら、私の中には何も残っていなくて・・・それまで、どうやって生きてきたのかすら、わからなくなってしまった・・・。・・・魂が消えてしまったの・・・ここにあるのは、ただの悲しい残骸・・・」

 

038

マックス

(せつなく呟いて)
「・・ミシェル・・様・・・」

 

039

ミシェル

(両手を胸の前で重ねて握りしめて苦しそうに、後半は泣きそうな顔でせつなく微笑んで)
「レオが私の人生の全てだったのだと・・・彼を失ってはじめてそのことに気づくなんて・・・フフ・・・何て愚かな女だと笑われてしまうかしら?」

 

040

マックス

(ミシェルの腕を掴んで引き寄せ、強く抱きしめて)
「・・っ・・・!」

 

041

ミシェル

(いきなり抱きしめられ、ちょっと驚いたように)
「あ・・っ・・・」

 

042

マックス

(ミシェルを抱きしめて辛そうに)
「・・そんなこと・・・っ・・・!」

 

043

ミシェル

(驚いた様子で呟くように)
「マクシ・・ミリアン・・・様・・・・」

 

044

マックス

(吐き出すように苦しげに)
「・・そんなこと、思うわけがない・・っ!」

 

045

ミシェル

(目を伏せて)
「・・・・ごめんなさい・・・」

 

046

マックス

(きつく目を閉じて、軽く非難するように)
「何で貴方が謝るんですか!?」

 

047

ミシェル

(軽く首を振ってマックスから離れようとして)
「・・・違うの・・・ごめんなさい・・・」

 

048

マックス

(離れようとするミシェルをもう一度抱きしめて)
「レオナルド様は・・・っ・・!・・・彼の代わりになんて、おこがましいことは申しません。・・でも・・・っ・・・!私は・・貴方が夜毎、涙で濡らす枕の代わりにもなりませんか?そんなに頼りにならない男ですか!?」

 

049

ミシェル

(泣きそうな顔で)
「・・・マクシミリアン様・・・」

 

050

マックス

(泣きそうな顔で吐き出すように)
「何で笑うんですか!?こんなに痩せ細って・・今にも折れてしまいそうなのに・・・何で、そんなに無理して・・・っ・・・」

 

051

ミシェル

(目を閉じて苦しそうに呟いて)
「・・・違う・・・」

 

052

マックス

(目を伏せたまま首を振って激しく)
「違わない・・っ!!苦しかったら、苦しいって言えばいい!辛かったら、辛いって泣きつけばいい!!助けて欲しいって、誰かに縋ればいい・・っ!!」

 

053

ミシェル

(泣き崩れながら)
「・・・うう・・・っ・・・レオは・・っ・・・レオの選択は・・・間違いではなかったけれど・・・でも・・・っ・・・私は・・・!・・・私は・・・っ・・・!あの時・・・・彼が・・・私の手を・・・っ・・・」

 

054

マックス

(ミシェルをしっかりと支えたまま、穏やかに)
「ん・・・」

 

055

ミシェル

(泣き崩れながら)
「ついて来いと・・・一言・・・・そう言ってくれれば・・・っ・・・!手を差し伸べてくれれば・・・っ・・いつでも、全てを捨てて・・・ついて行ったのに・・っ・・!」

 

056

マックス

(苦しく吐き出すように)
「そう思うのならば、何故、自分から追いかけなかったんです!何故、その手を離してしまったんです!?」

 

057

ミシェル

(首を振りながら)
「怖かったの・・・っ・・・彼に拒否されるのが・・・怖くて・・っ・・・頷くことしか・・できなかった・・・っ・・・」

 

058

マックス

(せつなく微笑んで)
「本当に・・・貴方という人は・・・。普段は驚く程、頭が良いのに、こんな時は・・呆れる程、馬鹿な人だ・・・」

 

059

ミシェル

(マックスに縋るようにして)
「うう・・・っ・・・うぅ・・っ・・・・!」

 

060

マックス

(ミシェルの頭に手をあて、しっかりと抱きしめて、遠くを見つめたまま穏やかに)
「今でも、こんなにも彼のことを愛しているのに・・・そのことに自分で気づいておきながら、感情を全て押し殺して・・・笑おうとするなんて・・・フ・・・」

 

061

ミシェル

(何とか涙を堪えようとしながら)
「・・うぅ・・・っ・・・でも・・・っ・・・わかっているんです・・・あの時・・・そうしなかった私は・・・そうできなかった私は・・・やはり・・・レオに相応しくないのだと・・・彼の一生の伴侶には・・なれなかったのだと・・・」

 

062

マックス

(天井を向いて、目を閉じて)
「ああ・・・」

 

063

ミシェル

(マックスの胸に顔を埋めて)
「・・ごめんなさい、マクシミリアン様・・・もう少しだけ・・・あと少しだけ・・・このままで・・・いても・・いいですか?・・・そうしたら・・・きっと、笑えるから・・・もう・・泣かないって・・・」

 

064

マックス

(顔を埋めたミシェルを一瞬見て、眉間にしわを寄せ呟いて)
「リーネ・・・・」

 

065

スヴェン

(マックスの後方から颯爽と歩いてきて、きびきびと話しかけて、すぐにミシェルの存在に気づいて)
「・・・ああ!マックス様!こんなところにいらっしゃった・・・・あぁ・・・っ、失礼を・・!」

 

066

ミシェル

(慌ててマックスから離れて、スヴェンから顔を背けて、涙を拭うようにして俯いて)
「いいえ・・・」

 

067

マックス

(軽く苛ついた様子でスヴェンを見て)
「何だ、スヴェン?」

 

068

スヴェン

(気まずそうに目を伏せて、チラリとミシェルを見ながら)
「あ・・いえ・・・たいしたことでは・・・」

 

069

ミシェル

(俯いたまま、軽く会釈して、逃げ去るように)
「ごめんなさい、マクシミリアン様。私は大丈夫ですから・・・。失礼致します!」

 

070

マックス

(慌てて、ミシェルを追うように手を伸ばして)
「あぁ!!お待ち下さい、ミシェル様・・っ!!」

 

071

スヴェン

(追い駆けようとするマックスの腕を後ろから掴んで)
「マックス様・・!」

 

072

マックス

(振り返ってスヴェンを睨みつけて)
「放せ、スヴェン!」

 

073

スヴェン

(思いつめたような表情で)
「マックス様・・!!エグレッタ・サクラから・・・っ・・」

 

074

マックス

(スヴェンの言葉を遮るように睨みつけたまま厳しく)
「その手を放せと言っているのが聞こえないのかっ!?」

 

075

スヴェン

(しっかりとマックスを見て)
「シャルロッテ様が・・・!」

 

076

マックス

(スヴェンの手を振り払って、その場を立ち去ろうとして)
「・・っ!!・・それがどうしたっ!?今は・・っ!!」

 

077

スヴェン

(立ち去ろうとするマックスを制するように大きな声で)
「わかっておられるのですか!?」

 

078

マックス

(スヴェンの声に一瞬立ち止まって、背中を向けたまま厳しく告げて立ち去って)
「わかっている!・・その話なら、後でゆっくりと聞く!!」

 

079

スヴェン

(マックスが立ち去った方を見つめたまま、後半は正面を向いて吐きだすように)
「何も・・・わかっておられない・・・!貴方は・・貴方は、どこへ向かおうとしているんだ・・・マックス様・・・!」

 
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