023 Ludlow Castle II vol.1 - The freedom one ever has :芝居用台本001  ・・・・・・・・・・・・・・

S-1 Be Immature but Respected

  ■概要
主要人数:4人
時間:


■ジャンル
ボイスドラマ、中世、ハートフル、ファンタジー

■キャスト
アルフレッド (男、23歳、ラングフォード伯爵家・長男)
マーガレット (女、17歳、ハウエル伯爵家・長女)
アルマン (男、23歳、スペンサー家・二男)
イザベル (女、15歳、ハウエル伯爵家・二女)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-1     (頭を掻きながら気だるげに登場するアルフレッド、テーブルセットの椅子に腰をおろし、足を組んで頬杖をつく)
Be Immature but Respected

001

アルフレッド (左手で頬杖をつきながら、不機嫌そうに舌打ちし、右手の指先で机をトントンと叩いて)
「チッ・・・ったく、チャールズのヤツ!人を呼びだしておいて、自分は不在だって!?・・ハンッ!冗談じゃないぞ!?オレだって、別に毎日遊んで暮らしてるわけじゃないんだ!色々と忙しんだよ、こっちは!だいたい、あいつは、昔から、勝手すぎるんだ!この間だって・・・っ!」

 

002

アルマン

(颯爽と登場してアルフレッドの前を通りすぎようとして、アルフレッドに気づいて振り返り)
「ああ、こんなところにいたのか、アルフレッド。ロングフェロー伯爵令嬢が先程からサロンでお待ちかねだぞ?」

アルフレッド、マーガレット、
アルマン、イザベル

003

アルフレッド (少しだけ顔をあげてアルマンを見て、すぐにそっぽを向いて気のない返事で)
「んあ?なんだ、アルマンか・・・ああ、悪いが後は頼んだ・・」
 

004

アルマン

(眉間にしわを寄せ、イライラした様子でアルフレッドに近寄って)
「後は頼んだって、おい!」

TIME:

005

アルフレッド (疲れた様子で右手を振りながら、後半はにっこり笑って)
「いや、もう、限界・・・。『一度、アルフレッド様とお話してみたいと思っていたんです』なんて、目を輝かせて熱心に言うもんだから、少しくらいつきあってやってもいいかな・・なんてイイ顔したのが運の尽き」
 

006

アルマン

(眉間にしわをよせ、すぐに馬鹿にしたように鼻で笑って)
「熱心に?フン・・どうせ、あの胸の開いたドレスに釣られたんだろ?」

 

007

アルフレッド (両手で胸の形を作って、うっとりした感じで大袈裟に)
「そりゃあ、オマエ、あのでっかいオッパイをこれみよがしに押しつけられてみろ!甘い香水の香りと共に、腕にこう、柔らかな感触が伝わってきて、見下ろすと、ちょうどオレの目線の先に白い谷間がバッチリ!な?男として悪い気はしないだろう?」
 

008

アルマン

(興味なさそうに向かい側の椅子に腰を下ろして足を組んで)
「さあ、興味ないな」

 

009

アルフレッド (不審そうな顔をして首を傾げて)
「・・・アルマン・・オマエ、やっぱり、どっかおかしいんじゃないか?その年で女っ気ゼロだし、こういう話にも一切のってこないもんな。それどころか、いつだってロバートの後ばかり追い駆けて・・ホモなのか?」
 

010

アルマン

(ズルッと椅子から滑り落ちそうになって、取り乱したように足を崩し、上半身を乗り出すようにして激しく反論して)
「ブ・・ッ!だ、誰が、ホモだっ!?だいたい、私はロバートの後を追いかけたことなんか・・っ!?」

 

011

アルフレッド (シッシッというように軽く手を振って、前のめりになって顔の前で片手を軽く開いて大袈裟にジェスチャーを加えながら、最後は背もたれにもたれてあっけらかんと)
「まあ、オマエの話はどうでもいいんだ。そんな彼女が、うっとりとした表情でオレを見つめながら、どんどん近寄ってきて・・・フ・・・てっきり、オレに気があるのかと思ったら・・・『そういえば、今日はチャールズ様はどちらに?』だってさ!」
 

012

アルマン

(口元に手をやり思わず笑ってしまったように)
「グ・・クク・・・・」

 

013

アルフレッド (疲れた様子で背もたれにもたれ、肩をすくめて手をひろげながら)
「そこからは、堰を切ったように、口を開けば『チャールズ、チャールズ』って・・・オレはチャールズじゃないっての・・!」
 

014

アルマン

(笑いを堪えながら、ひきつった顔で)
「ク・・・クク・・そうか・・・ク・・」

 

015

アルフレッド (うんざりした様子で、胸元に手をやり、女の子っぽい仕草をして、後半は起き上がってドンとテーブルを叩いて)
「しまいには、『チャールズ様はピンク色がお好きだってお聞きしたから、今日のドレスはピンクにしてみたんですけれど・・お気に召していただけるかしら?』なんて・・・フン!あいつの好みなんか、知るかっ!!」
 

016

アルマン

(吹き出しそうになって顔を伏せ、肩を小刻みに震わせて)
「プ・・・ウププ・・・・」

 

017

アルフレッド (ジロリとアルマンを睨みつけて)
「笑うな、アルマン!」
 

018

アルマン

(笑いを堪えながら)
「クク・・いや、プレイボーイとして名高い、百戦錬磨のオマエでも、そんな風にダシに使われることがあるんだなと思ってな・・・ププ・・・」

 

019

アルフレッド

(頭の後ろで手を組んで、背もたれにもたれかかって後半は首を傾げながら、後ろに反るようにして)
「そんなの、学生の頃から、ずっとじゃないか!何度、あいつ宛の手紙やプレゼントを預かったことか!・・・そういえば、不思議とオレ宛のラブレターをあいつに頼む女の子はいないんだよなあ・・・」

 

020

アルマン

(横を向いてコソリと呟いて)
「チャールズのことだから、握りつぶしているだけだと思うが・・・」

 

021

アルフレッド

(顔だけアルマンの方を向いて)
「ん?」

 

022

アルマン

(軽く首を振って微笑んで)
「いや・・・それにしても、今日はよく来たな。いつもは、何だかんだ理由をつけては来ないくせに」

 

023

アルフレッド

(上半身を起こして、「どうしても」を強調して、途中から目を伏せて優しく微笑んで)
「あ?そりゃあ、あいつが、『今回だけは、どうしても、来い!』って言うから!・・・フ・・・このところ色々あって、なかなか顔を出せなかったし・・・これで、しばらく会えなくなりそうだったから・・」

 

024

アルマン

(軽く眉をひそめて)
「ん?」

 

025

アルフレッド

(顔を上げて屈託のない笑顔で、後半は拳を握りしめて怒りの表情で)
「いや、久しぶりにあいつの能天気なアホ面でも拝んでやろうと思ってな!・・・それなのに、あのバカときたら!もう、絶対にあいつの呼び出しには応じないからな!」

 

026

アルマン

(苦笑して)
「ハハ・・・それにしても、チャールズのヤツ、どこへ行ったんだ?」

 

027

アルフレッド

(興味なさそうに大きくのびをしながら)
「どうせ、また、新しい女のところだろ」

 

028

アルマン

(考えるように)
「フム・・・どこの女だ?」

 

029

アルフレッド

(立ち上がって、ゆっくりとベッドの方に近づきながら)
「さあな。オレから言わせりゃ、手当り次第って感じだし。そのくせ、『今度こそ、運命の相手に巡り会えたんだ!』なんて自信満々に報告してくるし。あいつの考えてることは、よくわからん」

 

030

アルマン

(立ち上がって呼び止めて)
「おい、どこへ行くんだ、アルフレッド!」

 

031

アルフレッド

(ベッドに横になりながら)
「ちょっと、休ませてくれ。昨日まで忙しくて、あんまり寝てないんだ。ついでに調子にのってハイペースでシャンパンを飲みすぎたもんだから、さっきから頭がクラクラする」

 

032

アルマン

(ちょっと焦ったように)
「ロングフェロー伯爵令嬢のことはどうするんだ!?」

 

033

アルフレッド

(寝ながら)
「ベロベロに酔っぱらって、廊下で倒れて寝てるって言っといてくれ」

 

034

アルマン

(怒った様子で)
「そんな、いい加減なこと言えるか!」

 

035

アルフレッド

(寝ながら手を振って)
「頼んだぜ、フォローの達人!よっ!デキる男ナンバーワン!」

 

036

アルマン

(不機嫌そうに)
「そんな風に褒められても全然嬉しくないな・・・フン・・まあ、いい。そんな状態で下手に出ていって、彼女を怒らせても困るしな・・・しばらく、そこでおとなしくしていろ」

 

037

アルフレッド

(寝たまま組んだ手を上にあげて)
「アルマンったら、頼りになるぅ〜〜!」

 

038

アルマン

(溜息まじりに退場して)
「黙れ。・・・はぁ・・やれやれ・・・ワガママな友人を持つと苦労が絶えないな・・・」

       
 

039

マーガレット

(アルマンと入れ替わりに登場して、大きなため息をつきながら)
「はぁ・・・」

 

040

イザベル

(マーガレットを追いかけてきたように登場して)
「待って、マーガレット」

 

041

マーガレット

(優しく微笑み振り返って)
「あら、イザベル。どうかしたの?」

 

042

イザベル

(あっさりと)
「テイラーズのエスターがあなたを探していたわよ」

 

043

マーガレット

(不思議そうに)
「エスターが?ん・・何かしら?」

 

044

イザベル

(興味なさそうに)
「ドレスの仮縫いができたから、ちょっと着てみて欲しいんですって」

 

045

マーガレット

(ちょっとだけ沈んだ表情で微笑んだまま)
「ああ・・・」

 

046

イザベル

(腕を組んで)
「なあに?婚約披露パーティーで着る豪華なドレスだっていうのに、嬉しくなさそうね」

 

047

マーガレット

(慌てて顔を上げて微笑んで)
「そんなことないわよ。とっても素敵なデザインだし・・・」

 

048

イザベル

(マーガレットの顔を覗き込むようにして)
「ねぇ、マーガレット・・・」

 

049

マーガレット

(軽く首をかしげて)
「ん?」

 

050

イザベル

(心配そうに)
「本当にこれでいいの?」

 

051

マーガレット

(キョトンとした顔で)
「これでって?」

 

052

イザベル

(言い辛そうに)
「フォンテーン子爵との婚約」

 

053

マーガレット

(目を伏せて微笑んで)
「ああ・・」

 

054

イザベル

(マーガレットを見つめて真剣に)
「本当は・・あまり乗り気じゃないんじゃないの?」

 

055

マーガレット

(にっこり微笑んで)
「もう・・イザベルったら・・・そんなことないって言ったでしょう?先日お会いした時もハーバート様は優しくて穏やかで・・・イザベルだって、とても素敵な方だって、あんなに褒めてたじゃない」

 

056

イザベル

(思い出すように、ガスパールのことを話す時は、ちょっとだけ嬉しそうに)
「そりゃあ・・見た目も性格も完璧だし・・・まあ、ガスパールには劣るけど・・・あ、いえ・・・経済的にも恵まれていらっしゃるから、結婚相手としては申し分ないと思うけれど・・」

 

057

マーガレット

(明るく笑って)
「でしょ?不満なんてないわ。そうね・・・あえて言うなら、ここを離れなくてはいけないのが、ちょっぴり寂しいかしら・・」

 

058

イザベル

(軽く苦笑して)
「皆、いつかはここを離れるんだから。私だって・・」

 

059

マーガレット

(しんみりと)
「そうね・・・」

 

060

イザベル

(マーガレットの肩に手を置いて)
「それにチャールズお兄様はここに残るでしょうし、ルドロウ・キャッスルがなくなってしまうわけではないでしょう?いつでも遊びに来れるじゃない」

 

061

マーガレット

(顔を上げてせつなく微笑んで)
「ええ・・」

 

062

イザベル

(マーガレットの手を持って大きく広げて)
「ほら、久しぶりのパーティーなのに、そんな顔しないで姉さま。せっかく美しく着飾ったのに台無しよ?大丈夫、今日の姉さまは、私の次くらいに綺麗で目立っているから。ねぇ、独身最後の年なんだから、思いっきり華やかに過ごしましょう。どうせなら、フォンテーン子爵がヤキモチやいちゃうくらいに・・ね?」

 

063

マーガレット

(楽しそうに笑って)
「フフ・・・イザベル・・・」

 

064

イザベル

(思い出したように、カードとジュエリーケースを渡して)
「あ・・っと、忘れるところだったわ。はい、これ。噂のフォンテーン子爵から、マーガレットに、ですって。さっき、届いたばかりなんだけれど・・・エントランス・ホールを埋め尽くす程の真っ赤な薔薇の花束と一緒にね」

 

065

マーガレット

(軽く驚いて)
「私に?ハーバート様から?」

 

066

イザベル

(呆れたように、後半はカードを開いたマーガレットに)
「ええ。まったく・・やることなすこと、いちいち・・・。ああ、で?何て書いてあるの?」

 

067

マーガレット

(軽く驚いて)
「ん・・・離れていても心はいつも君とともに・・・」

 

068

イザベル

(言い捨てるように顔を背けて、すぐにジュエリーケースを見て)
「ハン・・キザな男・・・。で?そっちは何?」

 

069

マーガレット

(ジュエリーケースを開いて、ちょっと驚いたように)
「まあ・・・」

 

070

イザベル

(微笑んで、口元に人差し指をつけるようにして)
「あら素敵。婚約披露パーティーに着るドレスにピッタリね。ここは、さすが・・って言うべきなのかしら?・・・やっぱり、彼を選んで正解かもね」

 

071

マーガレット

(儚く微笑んで)
「ん・・そうね」

 

072

イザベル

(立ち去りながら、マーガレットを片手で制止して)
「そうだわ、マーガレット、ここで待っていてちょうだい。エスターを呼んでくるから。せっかくだから、新しいドレスにあわせてみましょう」

 

073

マーガレット

(イザベルを追うように手を伸ばして、すぐに手を戻して、ため息をついて独り言のように)
「ああ・・イザベル!待って・・!・・・はぁ・・・違うの・・・ごめんなさい、イザベル・・・」

       
 

074

マーガレット

(ジュエリーケースに目を落として、パタンとケースを閉じて)
「ん・・・本当に・・本当にこれでいいのかしら・・」

 

075

マーガレット

(ケースを胸に抱きしめて訴えるように)
「恵まれた環境・・・幸せな結婚・・・素敵な旦那様・・・何一つ不自由なく生きてきた私が・・・今までと変わらず、何一つ不自由のない新しい生活を手にいれようとしている」

 

076

マーガレット

(遠くに手を伸ばして、最後は片手で胸のあたりをギュッと握りしめて)
「本当に・・・本当に私の選択は間違ってない?これが、私が望んだこと?私が望んだ人生?・・・ああ・・・

 

077

マーガレット

(大きく手を伸ばして夢見るように)
「ああ・・・ある日、突然、目の前に素敵な人が現れて、私をそのまま、どこか遠くへ・・連れ去ってくれないかしら?

 

078

マーガレット

(伸ばした手を胸元に引き寄せてせつなく)
「そうしたら、全て捨ててもいいのに・・・この華やかなドレスも、この恵まれた生活も、優しい家族に大好きなお兄様・・・マーガレット・ジニー・ハウエルという名前すら・・・失っても構わない・・・そうして、自分の力で生きていくの・・・自分一人の力で新しい生活を・・・

 

079

マーガレット

(目を伏せて悲しく微笑んで)
「フフ・・・なんて・・・本当にロマンスの読みすぎね

 

080

アルフレッド

(ベッドの上に寝たまま、いきなり吹き出して、はじけたように笑い出しながら上半身を起こして)
「プ・・・アハハハハハハ!!!」

 

081

マーガレット

(笑い声に驚いて振り返ってキョロキョロして)
「え!?誰・・・っ!?

 

082

アルフレッド

(笑いながらベッドに座って)
「アハハハハハハ!!!」

 

083

マーガレット

(訝しげにアルフレッドを見て)
「アルフレッド・・お兄様・・?何で、そんなところに・・・?

 

084

アルフレッド

(ちょっと馬鹿にしたように笑って)
「アハハハ!いつか白馬に乗った王子様がやってきて、私をさらっていく・・・か。こいつは傑作だな!」

 

085

マーガレット

(恥ずかしそうに頬に手をやり、非難するようにアルフレッドを睨んで)
「・・・っ!こっそり隠れて聞いていたんですか!?

 

086

アルフレッド

(あっさりと)
「隠れて聞いてただなんて人聞きが悪い、ここでちょっと休んでいたら、勝手に聞こえてきただけだ」

 

087

マーガレット

(悔しそうに顔を背けて)
「う・・・

 

088

アルフレッド

(意地悪く笑って)
「それにしても・・・結婚前の良家のお嬢様は、よっぽど暇なんだな。それとも、望んだものは何でも手に入るから、日々、刺激に飢えているのかい?」

 

089

マーガレット

(顔を上げて激しく訴えて、後半は思い直したように顔を背けて丁寧だけど冷たく言いなおして)
「違うわ!そんなこと!・・そんなこと、ありません・・

 

090

アルフレッド

(口元に笑みをたたえたまま、マーガレットを見つめて)
「フ・・・だったら、何だい?何一つ不自由のない生活だって、自分でも言っていたじゃないか。それなのに、満足できないんだろう?」

 

091

マーガレット

(両手を握りしめて、小刻みに肩を震わせて)
「私は・・ただ・・

 

092

アルマン

(思い出したように言いながら歩いてきて、二人の様子を見て驚いて立ち止まって、隠れるように後ろに下がって)
「そういえば、アルフレッド。さっき、ヴェルニエ先輩が・・・。・・・っ!

 

093

アルフレッド

(ゆっくりと立ち上がって歩きながら)
「この恵まれた環境は、君が自らの力で手に入れたものじゃない。全て、君の両親が与えてくれたものだ。そんな、与えられた環境の中で大切に守られて生活していくうちに、いつしか、約束された将来を歩むことに疑問を感じるようになった。だから、何もかも捨ててしまいたいと思った」

 

094

マーガレット

(何かを訴えるように)
「あの・・私は・・・!

 

095

アルフレッド

(マーガレットを振り返って見つめて)
「でも、そんなのは世間知らずなお嬢様の単なるワガママでしかないって、気づいていない。いいかい?君は自分一人で生きてきたような顔をしているけれど、本当は違う。生きてきたと錯覚しているだけだ」

 

096

マーガレット

(首を振って苦しそうに)
「錯覚なんて・・・してないわ!」

 

097

アルフレッド

(馬鹿にしたように大袈裟に)
「何もかも捨てて、どんな生活を望んでいる?どんな生活ができると想像している?君が自分で得たものなんて、ここには一つもない。そのドレスも、靴も、髪飾りも!全て親の財産で購入したものばかりだ」

 

098

マーガレット

(片手で胸元を、片手でドレスを握りしめるようにして)
「・・・っ・・!

 

099

アルフレッド

(マーガレットに背を向けて訴えるように)
「明日、食べるものがない生活を想像したことがあるかい?ひとかけらのパンを買うのにだってお金が必要なんだ。全てを捨てるってことは、自分で稼いだ金で生活していくってことなんだよ」

 

100

マーガレット

(アルフレッドに近寄って訴えるように)
「わかっているわ!そんなこと私だって・・・!

 

101

アルフレッド

(マーガレットを振り返って挑戦的に微笑んだまま)
「ちっともわかってないよ、マーガレット。君はさっき何て言った?素敵な人があらわれて、どこか遠くへ連れ去ってくれないかだって?自分の力で生きていくんだろう?自分一人の力で新しい生活を築き上げるんだろう?その覚悟があるんだったら、何で、自分の足で歩こうとしない?なぜ、誰かに頼ろうとする?なぜ、誰かが連れ去ってくれるのを待っているんだ!?」

 

102

マーガレット

(衝撃を受けて後退って
「それは・・・!

 

103

アルフレッド

(マーガレットに詰め寄って大きく手を広げて)
「行けばいいじゃないか!今すぐにでもここを飛び出して、自分の力で歩いていけばいいじゃないか!何を躊躇しているんだ?」

 

104

マーガレット

後退って、ベッドに足をとられ倒れ込むように座って)
「だって・・・

 

105

アルフレッド

(フッと力を抜いて呆れたように)
「フ・・・結局、その程度ってことだよ。自分を安全なところに置いて、ちょっと冒険してみたいなんて夢みてるだけ。順風満帆で退屈な日々に、ほんの少しのスパイスが欲しいだけなんだ」

 

106

マーガレット

(首を振って苦しそうに)
「違う・・・
そんな風に思ってなんか・・・!」

 

107

アルフレッド

(ゆっくりと振り返って、マーガレットに手を差し伸べて)
「フ・・・思ってるんだよ。だから、いつまでたっても思いきることができない・・そうだろう、お姫様?」

 

108

マーガレット

(手を振り払って立ち上がって)
「・・・っ!

 

109

アルフレッド

(叩かれた手を胸の前で握って強い口調で、最後はマーガレットに頬を叩かれて)
「考え方が甘いんだよ!フ・・・所詮、どこまでいっても、温室育ちは温室育ちでしかないんだ!・・・っ!」

 

110

マーガレット

(涙を流しながら、激しく怒って、最後は立ち去って)
「何で、あなたにそこまで言われなくてはいけないの!?私は・・・私は・・・!!チャールズお兄様の言う通りだわ!あなたは意地悪で無礼で最低な人だわ!あなたなんか・・・あなたなんか、大っ嫌い・・っ!!

 

111

アルマン

(マーガレットの進路をふさいで気遣うように手を出すが、すぐに手を引っ込め、場所をあけ目を伏せて)
「ああ・・・!失礼
・・・」

 

112

マーガレット

(アルマンに気づいて一瞬止まって、すぐに駆け出して)
「・・・っ・・!

       
 

113

アルマン

(呆れた様子で)
「何をやっているんだ・・・

 

114

アルフレッド

(ベッドに腰をおろし、叩かれた頬を押えて、はじけるように笑い出しながら)
「フ・・・アハハハ!参ったなぁ、大っ嫌いだってさ!オレはつくづく、ここんちの兄妹とは相性が悪いな・・・しかも、思いっきりひっぱたいていきやがって・・・いってぇ・・・」

 

115

アルマン

(腕を組んで溜息まじりに)
「自業自得だろ。言いすぎだぞ、アルフレッド。あれじゃあ、マーガレットが可愛そうだ

 

116

アルフレッド

(そのままベッドに仰向けに倒れながら)
「はあ、やれやれ!全く、10代のお姫様の考えていることは、さっぱりわからん!」

 

117

アルマン

(呆れたように言い捨てて)
「私には、オマエが自分のことを言っているようにしか聞こえなかったけどな

 

118

アルフレッド

(真顔でガバッと肘をついて起き上がって、すぐに片手で顔を覆って笑い出して)
「・・・っ!・・・フフフ・・・・アハハハハ・・・!いやあ、さすが、アルマン殿!お見逸れ致しました!」

 

119

アルマン

(真剣な顔で)
「茶化すな。・・・何をそんなに焦っている?そんな風に自分を追い詰めてどうする?

 

120

アルフレッド

(肘をついたまま遠くを見て)
「別に・・・何も考えてない。ただ・・・」

 

121

アルマン

(眉をひそめて)
「ただ?

 

122

アルフレッド

(拳を握りしめた腕で目を隠して苦しそうに)
「本当に未熟で、ちっぽけで・・・夢ばっかり大きくて、何にもできない・・・。・・・っ・・・そんな不甲斐ない自分が情けなくて・・悔しくて・・・涙が出る」

 

123

アルマン

(静かにアルフレッドを見つめて労わるように)
「アルフレッド・・・

 

124

アルフレッド

(俯いたまま、ゆっくりと起き上がって、せつなく)
「ハハ・・・何事も思ったようにはいかないもんだな・・・誰も傷つけないように・・・なんて中途半端なことしているから、周囲の人間をどんどん傷つける・・・」

 

125

アルマン

(目を伏せて一瞬笑って)
「フ・・・そうだな。誰も傷つけないなんて、最初から無理な話だ。そもそも、人は罪深き生き物なんだよ。・・・・それより、さっきのこと・・後できちんと謝っておけよ

 

126

アルフレッド

(笑いながら立ち上がって歩き出して)
「ハハハ・・近寄らないで!もう顔も見たくない!なんて言われなければの話だけどな・・・」

 

127

アルマン

(皮肉っぽく笑って歩きながら)
「フフ・・あの状態じゃ、十分ありえるな。許してくれるまで、部屋のドアの前で土下座でもしていろ

 

128

アルフレッド

(楽しそうに笑って)
「はいはい」

 
作品の無断使用、無断転載は禁止しており、行った場合は著作権法違反となります.
© Copyright 2021 VORTEX.