024 Egretta Sacra III prologue :芝居用台本001  ・・・・・・・・・・・・・・

S-1 The Sleeping Beauty

  ■概要
主要人数:5人
時間:
7,33

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー

■キャスト
シャルロッテ(女、18歳、マクシミリアンの妹)
ハリー(男、17歳、近侍)
マックス(男、24歳、新エグレッタ・サクラ当主)
スヴェン(男、25歳、家令)
ヴェラ(女、23歳、侍女)


タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-1

 

  (裸足のまま、うつろな様子で歩いて来るシャルロッテ。だらりと下がった右手からこぼれ落ちる紙の束)

The Sleeping Beauty

001

シャルロッテ (焦点が定まらない虚ろな様子で宙を見つめながら歩いてきて)
「かわいいでしょう・・・今年もヴェラが焼いてくれたの・・・こっちがお兄様ので、こっちはスヴェン・・・だめよ、ハリー・・・それはクリスマスまで大切にとっておくの・・・・」
シャルロッテ、ハリー、
マックス、スヴェン、ヴェラ

002

シャルロッテ (正面を向いて手を伸ばして、薄ら笑いを浮かべて)
「ねぇ、見て・・・ほら、雪・・・フフ・・・綺麗・・・・・あぁ!お母様にも教えてあげなくちゃ・・・・ねぇ、お父様・・・・」

 

003

シャルロッテ (伸ばした手を元に戻し見つめながら、徐々に震えていく手。首を振りながら、少しずつ後ずさりしてソファにぶつかり座って)
「お父様・・・?・・お父・・・様・・・?・・・ああ・・・っ・・あぁ・・・っ!・嫌・・・っ・・・違うの・・・そんなつもりじゃ・・・・違うの・・・・っ・・・」
TIME:7,33

004

シャルロッテ (震える両手で頭をおさえるようにして首を振りながら、ソファの上で膝を抱えるようにしてうずくまって)
「ごめんなさい・・・・っ・・ハァ・・・ハァ・・・違う・・・・っ・・・そんな・・・っ・・・違う・・・・っ!」
 

005

ハリー (タオルを持って現れ、丁寧な口調で。すぐに床一面に散らばった書類を見つけて)
「失礼致します、シャルロッテ様。新しいタオルをお持ち致しました。・・・ん?・・・あれ?これって・・」
 

006

シャルロッテ (小さく呟いて)
「違う・・・」
 

007

ハリー (書類を拾い集めながら、優しく微笑んで、なだめるように。後半はシャルロッテの様子がおかしいことに気づいて)
「フ・・・またマックス様のお部屋から勝手に持ってきてしまわれたんですか?・・・フフ・・・ダメじゃないですか。これは、大事な・・・・ん?・・・・シャルロッテ様・・・?どうかしましたか・・?」
 

008

シャルロッテ (うずくまったまま首を振って)
「そんなんじゃない・・・・違う・・・っ・・・・」
 

009

ハリー (タオルを書類をその場に落とし、慌ててシャルロッテに近寄って)
「シャルロッテ様!?・・・どこか、お体の具合でも・・・っ・・・!?」
 

010

シャルロッテ (うずくまったまま苦しそうに)
「違うの・・・違うの・・・違うの・・・・そんな・・・違うの・・・っ!」
 

011

ハリー (シャルロッテの両腕を掴んで心配そうに)
「シャルロッテ様・・っ!?どうなされたのですか・・っ!?シャルロッテ様・・!?」
 

012

シャルロッテ (震える両手で頭をおさえるようにして首を振りながら、最後に顔を上げて悲痛に叫んで)
「そんな・・・っ・・・あぁ・・・あぁ・・・あぁぁあ・・・っ・・・!!・・・嫌ぁああああーーーーっ!!」
 

013

ハリー (シャルロッテを抱きしめ、強く訴えるように)
「・・っ!?・・・大丈夫!!・・・大丈夫ですから・・っ!!どうか・・っ・・・どうか、落ち着いて・・っ!!」
 

014

シャルロッテ (ハリーに抱きしめられたまま、人形のような表情で虚空を見つめて涙を流して)
「あぁ・・・」
 

015

ハリー (きつく瞳を閉じて、すがるように)
「どうか・・っ!!」
 

016

シャルロッテ (虚空を見つめたまま無表情に)
「・・・ハ・・・リー・・・?」
 

017

ハリー (必死に訴えるように)
「ええ・・っ!ハリーはここにおります・・っ!!」
 

018

シャルロッテ (虚空を見つめたまま無表情に)
「ハリー・・・痛い・・・・」
 

019

ハリー (慌てて抱き締めていた腕をほどいて、床に片膝を立てて座り、頭を下げて)
「あぁ・・っ!申し訳ございません・・っ!」
 

020

シャルロッテ (目線を下に落として無表情のまま)
「・・・・」
 

021

ハリー (顔を上げ、心配そうにシャルロッテを見上げて)
「・・他にどこか痛いところはございませんか?具合が悪いところは・・!?」
 

022

シャルロッテ (ゆっくりとハリーを見て、徐々に微笑んで)
「・・・・大丈夫よ。・・どこも痛くないわ・・・」
 

023

ハリー (安堵の溜息をついて)
「はぁ・・・よかった・・・・」
 

024

シャルロッテ (遠くを見つめて)
「・・・・嫌な夢を見たの・・・暗くて・・怖くて・・・助けてって叫ぶのに・・・誰も助けてくれなくて・・・」
 

025

ハリー (穏やかな笑みを浮かべて)
「そうでしたか・・・・大丈夫ですよ、ハリーはいつでも貴方様のお傍におります」
 

026

シャルロッテ (不安そうにハリーを見て)
「・・・約束よ・・・私を一人ぼっちにしないって・・・」
 

027

ハリー (穏やかに微笑んだ後、優しく返事をして)
「フッ・・・・・はい・・お約束します。今後、絶対に貴方様をお一人にしないと・・・」
 

028

シャルロッテ (ハリーを見て微笑んで)
「フフ・・・ありがとう・・・・・・」
 

029

ハリー (穏やかに微笑んだ後、立ち上がって落とした書類とタオルを集めながら、辺りを見回して)
「いえ・・・。そういえば・・・履いていらした靴はどうなさったんですか?」
 

030

シャルロッテ (ぼんやりとした様子で)
「さぁ・・・どうしたかしら・・?気が付いたら履いていなかったの・・・」
 

031

ハリー (書類とタオルをソファの横に置いて跪き、シャルロッテの足を手にとり、後半は溜息まじりに)
「まさか、また裸足のまま・・・っ!・・・あぁ・・・そのまま、外に出たんですね・・・」
 

032

シャルロッテ (うっとりとした様子で)
「窓から見える薔薇園の青い薔薇達がとても綺麗だったの・・・だから、私、もっと近くで見たくて・・・」
 

033

ハリー (困ったようにシャルロッテの足を見つめ、一瞬顔をしかめて立ち上がり去ろうとした腕を掴まれ、驚いて振り返って)
「こんなに汚れて・・・・しかも、怪我まで・・・!すぐに手当をしましょう!・・・まずは足を洗うお湯の用意をして参り・・・・っ!」
 

034

シャルロッテ (ハリーの手を掴んで遮るように)
「行かないで・・・」
 

035

ハリー (困ったように眉をひそめて、言い聞かせるように)
「・・・っ!・・でも・・っ!早く手当をしなくては!・・・綺麗な足に傷痕が残ってしまったら・・・!」
 

036

シャルロッテ (ハリーを見つめて懇願するように)
「行かないで・・・」
 

037

ハリー (溜息混じりにシャルロッテの前に膝をついて、困ったように微笑んで)
「・・・・はぁ・・・わかりました。・・・もうしばらくここに・・・でも、後で必ず手当をさせて下さい」
 

038

シャルロッテ (綺麗に微笑んで)
「フフ・・・」
 

039

ハリー (タオルをとって膝の上に置き、その上にシャルロッテの足を載せて、引き寄せられるように、そっと唇を近づけて足にキスをして)
「・・・こんなに真っ白で綺麗なんですから・・・傷なんかつけないで下さい・・・どうか・・・・」
 

040

シャルロッテ (ハリーを見つめたまま)
「ハリー・・・」
 

041

ハリー (我にかえって、気まずそうに顔を背けて)
「・・・っ!・・・ご無礼を・・・」
 

042

シャルロッテ (ゆっくりとハリーの頬に右手を伸ばして自分の方を向かせて微笑んで)
「いいのよ、ハリー・・・」
 

043

ハリー (困惑した様子で)
「シャルロッテ様・・・」
 

044

シャルロッテ (左手でハリーの腕を掴んで隣りに座らせて、覆い被さるようにして、ハリーの両頬に両手をあてて、うっとりと微笑んだまま)
「青い薔薇が私を呼ぶの・・・ここへいらっしゃい・・って・・・あなたを待っていたわ・・・って・・・」
 

045

ハリー (困惑した様子で)
「シャルロッテ・・・様・・・?」
 

046

シャルロッテ (ゆっくりとハリーの頬の輪郭を指先でなぞって)
「あの甘い香りに包まれていると・・・だんだん力が抜けてきて・・・麻痺したように動けなくなるの。・・・・そのうちに記憶まで曖昧になってきて・・・呼吸をすることすら忘れてしまう・・・」
 

047

ハリー (シャルロッテを見つめたまま怯えたように)
「・・・っ・・・」
 

048

シャルロッテ (なぞっていた指をハリーの首元まで滑らせて)
「フフ・・・横たわった私の身体は・・・少しずつ温度を失い・・・ゆっくりと朽ち果てていく。・・・・・こう指先から溶けてなくなって・・・そうして、土に還るの・・・」
 

049

ハリー (ゆっくりと首を絞めていくシャルロッテの指に手をあて、シャルロッテを見つめて懇願するように)
「・・・ぐっ・・・!・・・うぅ・・・っ・・・・シャル・・・ロ・・ッテ・・様・・・っ・・・!」
 

050

シャルロッテ (ハリーの首を締めながら、艶やかに微笑んで)
「来年にはきっと綺麗な花を咲かせるわ・・・フフ・・・ね?・・・素敵でしょう?」
 

051

ハリー (苦しそうに呻きながら)
「・・・う・・っ・・・・ど・・うか・・・っ・・・!・・・ぅ・・・ぁ・・・っ・・・あ・・・・っ・・・!」
 

052

シャルロッテ (ハリーの首を締めながら綺麗な笑みを浮かべ穏やかに)
「一緒に・・・いきましょう・・・ハリー・・・・」
 

053

ハリー (首を絞めるシャルロッテの手から、覚悟を決めたように、ゆっくりと自分の手を放して、震える指をシャルロッテを求めるように伸ばし、宙を掴みながら)
「・・・ぅぐ・・っ・・・シャ・・・・んぐ・・っ・・・ル・・・ロ・・・ッ・・・ぁあ・・・っ・・・」
 

054

シャルロッテ (綺麗に微笑んで)
「フフ・・・・・そうよ・・・ずっと一緒・・・」
 

055

ヴェラ (丁寧な口調で登場して、すぐに二人の様子のおかしさに気づいて、口元に手をやり、驚愕の表情で叫んで)
「失礼致します。シャルロッテ様、そろそろ夜会のお支度を・・・っ!?シャルロッテ様・・・っ!?何を・・・っ!?・・・キャーーーーーーーー!!!誰かーーーーっ!!!」
 

056

ハリー (苦しそうに瞳を閉じ涙を一筋流して、ガクリと力を抜いて)
「・・・ぅご・・・っ・・・ル・・・ロ・・ッテ・・・・・さ・・・っ・・・!!」
 

057

ヴェラ (慌ててシャルロッテに駆け寄り、首を絞めている手を引きはがそうとして)
「シャルロッテ様、おやめ下さいっ!!はぁ・・っ!どうか・・っ!!」
 

058

マックス (慌てた様子で入ってきて、すぐにシャルロッテに駆け寄り、力づくで指を放してハリーを抱きかかえて)
「どうしたんだ、ヴェラ!大きな声を出して・・・っ!!シャルロッテ・・っ!?・・・くっ・・・!その手を離すんだ、シャルロッテ!!・・・・おい、ハリー!しっかりしろっ!!」
 

059

スヴェン (颯爽と登場して、すぐに事態に気付いてハリーに近寄り首筋に手をあて)
「いかがいたしました?・・・・失礼・・・大丈夫です。気絶しているだけのようです」
 

060

シャルロッテ (ヴェラに羽交い絞めにされて、狂ったように高笑いして)
「フフフフ・・・・アハハハハハ・・・!!アハハハハ・・・・!!!」
 

061

マックス (厳しく言い放って)
「ヴェラ、シャルロッテを寝室へ連れて行け!早く!」
 

062

ヴェラ (落ち着いた様子で、後半は幼い子を諭すように優しく語りかけて)
「かしこまりました。・・・さぁ、参りましょう、シャルロッテ様」
 

063

シャルロッテ (高笑いしたまま、ヴェラに連れられて退場して)
「アハハハハ・・・・!!!」
 

064

マックス (頭を抱えるようにして大きく溜息をついて)
「はぁ・・・シャルロッテ・・・・このところ、随分と落ち着いていたのに・・・何故・・・・」
 

065

スヴェン (リストを拾い、軽く目を通してから、マックスに差し出して)
「・・・原因はこれ・・・でしょうか?」
 

066

マックス (差し出された書類を受け取り、目を通しながら)
「ん?・・・これは・・・・事故の・・・・っ・・・!」
 

067

スヴェン (丁寧にしっかりと)
「どのように処理されたのか確認するために、先日取り寄せた調書ですね・・・・」
 

068

マックス (驚愕の表情で、すぐに溜息をつきながら項垂れて)
「それで・・・・っ・・・!・・・・はぁ・・・・すぐ見つかるような場所には置いてなかったはずなのだが・・・」
 

069

スヴェン (丁寧にしっかりと)
「見つけたのはシャルロッテ様ではないのかもしれません・・・」
 

070

マックス (眉をひそめて顔を上げて)
「え・・?」
 

071

スヴェン (流し目で辺りを見回して)
「鼠が・・・闇に紛れてこそこそと嗅ぎまわっている鼠がいるようです・・・」
 

072

マックス (物音と足音を確認してから、嘲笑して)
「・・・フン・・・・今は好きにさせておくといい。後でまとめて始末してやる・・・」
 

073

スヴェン (ハリーに近づいて、頬を軽く叩いて)
「はい。・・・・さて、ハリーを自室まで運びます。・・・ハリー、起きられるか?」
 

074

ハリー (大きく身震いして、首を抑え、頭を振りながら上体を起こし、最後は我に返ったようにガバッと起き上がって)
「・・・・んん・・・っ・・・・ルロッテ・・・様・・・っ・・・!」
 

075

スヴェン (穏やかに)
「大丈夫か?部屋に戻って、しばらく休むといい。肩を貸すぞ?」
 

076

ハリー (ふらふらしながら立ち上がって軽く頭を下げて立ち去りながら)
「・・あぁ・・・マックス様にスヴェンさん・・・・僕は大丈夫・・です。・・・大丈夫・・ですから・・・。失礼致します・・・」
 

077

スヴェン (丁寧に頭を下げて)
「心配なので、自室までついて参ります・・・失礼致します」
 

078

マックス (二人を見送ってからゆっくりと立ち上がり、ジャケットを翻して立ち去る)
「・・・シャルロッテ・・・・はぁ・・・・」
 
作品の無断使用、無断転載は禁止しており、行った場合は著作権法違反となります.
© Copyright 2021 VORTEX.