024 Egretta Sacra III prologue :芝居用台本002  ・・・・・・・・・・・・・・

S-2 The Ties That Bind 

  ■概要
主要人数:2人
時間:
4,00

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー

■キャスト
マックス(男、24歳、新エグレッタ・サクラ当主)
スヴェン(男、25歳、家令)


タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション
S-2

 

  (颯爽と登場してソファに腰を下ろすマックス。気だるげに前髪を掻き上げる)

The Ties That Bind 

001

スヴェン (ファイルを片手に登場して丁寧な口調で)
「失礼致します」
マックス、スヴェン

002

マックス (顔を上げてスヴェンを見て)
「あぁ・・スヴェンか・・・どうした?」

 

003

スヴェン (ファイルを開いて書類を取り出し、マックスに差し出して)
「来月こちらで開催されますパーティーに出席される招待客のリストをお持ち致しました」
TIME:4,00

004

マックス (無言のまま一瞥して書類を受け取り、リストに目を通しながら)
「・・・フム・・・」
 

005

スヴェン (ファイルを閉じて丁寧に)
「何か不都合な点がございましたら、何なりとお申し付け下さい」
 

006

マックス (リストに目を落としたまま)
「・・・ヴェルニエ伯爵の名前がないな・・・」
 

007

スヴェン (ファイルを閉じて丁寧に)
「ええ・・・今回は残念ながら欠席ということで、ご本人様より、丁寧な断りの手紙を頂戴しております」
 

008

マックス (顔を上げて馬鹿にしたように笑って)
「フ・・・珍しい・・・あの狸が・・・鎖につながれた獣には興味がなくなったか?」
 

009

スヴェン (目を伏せてしっかりした口調で)
「同日、ハウエル伯爵家にて親族や知人を招いての非公式の晩餐会が催されるようです」
 

010

マックス (冷笑したまま再びリストに目を落として)
「なるほど・・ハウエル伯爵家か・・・フ・・・」
 

011

スヴェン (一瞬、眉をひそめて、少しだけ言い淀むように)
「・・・ミシェル様も・・そちらに・・・」
 

012

マックス (笑うのをやめて目をそらして、眉間にしわを寄せ苦々しく)
「フン・・・本家の晩餐会を優先するのは仕方のないことだ・・・それに・・・」
 

013

スヴェン (顔を上げてマックスを見て)
「それに?」
 

014

マックス (斜め上方を見ながら)
「・・シャルロッテのこともある」
 

015

スヴェン (一瞬、視線を落として、すぐに丁寧に頭を下げて)
「・・・心中、お察し申しあげます」
 

016

マックス (溜息まじりに笑いながら視線を落として)
「最近、ようやく落ちついてきたところだ。何もこの時期に再び波風を立てる必要はない・・・」
 

017

スヴェン (しっかりとマックスを見て)
「賢明なご判断です。・・・失礼を承知で申し上げますが、ミシェル様とお会いになるのは、しばらくお控えになった方がよろしいかと存じます。シャルロッテ様がいらっしゃるこの状況で、これ以上、あの方と親交を深めるのは得策ではないかと・・・」
 

018

マックス (しなやかにスヴェンの言葉を遮って)
「言われなくてもわかっている。これ以上深入りしても徒に彼女を苦しめるだけだ・・・・フン・・・所詮、一時の気の迷い・・・私が歩む道と、彼女がこれから歩むべき道はどこまで行っても平行線でしかない。限りなく近づくことはできても、生涯、交わることはない。・・・・フッ・・・終わったことだ・・・今後、個人的に彼女に会うつもりはない・・・」
 

019

スヴェン (目を伏せて軽く頭を下げて)
「・・・はい」
 

020

マックス (リストに目を落として、皮肉っぽく笑って)
「そうか・・・ハウエル伯爵家に縁のある者はことごとく欠席というわけか・・・まあ、あちらの方が格上である以上仕方のないことだな・・・」
 

021

スヴェン (何か訴えようとして、一瞬悔しそうな顔をして、すぐに思い直したように)
「・・っ!!それは・・っ!・・・いえ・・・何でもございません」
 

022

マックス (スヴェンの様子に気づいて軽く笑いながら、リストを傍らに置いて)
「フ・・・爵位なんて枷でしかない。それに気付かず権力を振りかざし喜んでいるオプティミストか、気づいていながらあえて身を投じるマゾヒストか・・・・フ・・・無位の方が余程、人生を謳歌できるというもの・・・そう思わないか?」
 

023

スヴェン (言い淀んだ様子で)
「・・・・っ・・・」
 

024

マックス (ゆっくりと立ち上がりながら、はっきりとした口調でまっすぐスヴェンを見て)
「いい機会だから、はっきり伝えておこう。爵位を手放したことについては何の未練もない。むしろ、私が自ら望んだことだ。間違っても、爵位を取り戻し、お家再興などと馬鹿げたことは考えるな」
 

025

スヴェン (何かを言おうとして一歩前に出て)
「・・・・しかし・・・っ・・・」
 

026

マックス (スヴェンの言葉を遮って、俯いたまま軽く自嘲的に笑って、その後、正面を向いて右手を前へ出し握りしめ、しっかりと)
「エッフェンベルク家は後世にその名を残すことなく消えるべき呪われた一族・・・・私で終わらせる・・・必ず・・・全ての罪と共に・・・」
 

027

スヴェン (悲痛な面持ちで)
「マクシミリアン様・・・」
 

028

マックス (力を抜いて振り返り軽く笑って歩きながら優雅にソファに腰をおろし)
「フ・・・そんな顔をするな。名前など、物や人を識別するために便宜上つけられた文字の羅列でしかない。そんなちっぽけなものに人生を左右されるなど馬鹿らしいとは思わないか?」
 

029

スヴェン (苦しげに)
「私は・・・・」
 

030

マックス (スヴェンを見てあっさりと)
「ん・・・?」
 

031

スヴェン (目を伏せて胸元に手をやり苦しそうに)
「私は・・・貴方にこの名を呼んでいただいたあの日・・・はじめてこの世に存在する意義を見出しました」
 

032

マックス (目を見開いて唖然として)
「スヴェン・・・・」
 

033

スヴェン (マックスを見つめて)
「貴方が私の名を・・・呼び続けて下さる限り、ここにいても良いのだと・・・貴方の傍にいることを許されるのだと・・・」
 

034

マックス (俯いて)
「すまない・・・スヴェン・・・・そういうつもりで言ったのでは・・私が軽率だった・・・」
 

035

スヴェン (我に返ったように慌てて一歩下がって)
「あ・・いえ・・・私の方こそ、大人気ないことを・・・・申し訳ございません」
 

036

マックス (しっかり)
「確かにお前の名は私にとっても特別だ。決して、軽んじているわけではないことだけはわかってくれ。・・・私は・・・ただ・・・エッフェンベルクという名を忌み嫌い、その名の呪縛から解き放たれたいと強く願っているだけだ・・・」
 

037

スヴェン (目を伏せて)
「ええ・・・」
 

038

マックス (軽く笑って俯いて)
「ただのマクシミリアンとスヴェンに・・・戻れる日が来るといいのだが・・・」
 

039

スヴェン (一瞬、口元だけ微笑んで、すぐに真顔に戻って丁寧に挨拶してその場を去る)
「フ・・・そうですね・・・それでは、私は次の仕事がございますので失礼致します」
 

040

マックス (リストに目を通しながら、サラリと)
「ああ・・・」
 

041

マックス (リストを見ながら、何かを見つけたように、すぐにスヴェンを呼び戻そうとして、すぐにあきらめて、ゆっくりと立ち上がって去る)
「おや・・・これは・・・?・・・スヴェン・・・!・・・フ・・・まぁ、いい・・・・さて、シャルロッテの様子でも見てくるか・・・」
 
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