024 Egretta Sacra III prologue :芝居用台本004  ・・・・・・・・・・・・・・

S-4 The Shake Up

  ■概要
主要人数:3人
時間:
4,30

■ジャンル
ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー

■キャスト
ノア(男、17歳、小姓)
スヴェン(男、25歳、家令)
ハリー(男、17歳、近侍)

タイトル
時間
キャスト
セリフ・ナレーション

S-4

 

  (封筒の束をチェックしているスヴェン)

The Shake Up

001

スヴェン (封筒の束をチェックしているうちに気になる一通に目をとめて、取り出し、差出人を見ながら)
「・・・ん・・?・・・これは・・・?」
ノア、スヴェン、ハリー

002

ノア (丁寧な口調でお辞儀をして)
「失礼致します。ちょっとよろしいでしょうか?」

 

003

スヴェン (急いで封筒を揃え、後ろ手に持って)
「・・はい?」
TIME:4,30

004

ノア (リストを渡しながら穏やかに)
「地下のストックルームにしまってあったゲスト用の食器とシルバーの数を全て数え一覧にしてみました。補充が必要だと思われる足りない品もそちらに記してございます」
 

005

スヴェン (リストを受け取り、目を通しながら、軽く驚いて)
「・・あぁ・・今朝、私が頼んだ・・・もう、全て数え終えたのですか?・・・ノア・・これを君が一人で?」
 

006

ノア (にっこりと微笑んで)
「あぁ・・はい・・ダブルチェックをしたので間違いはないと思うのですが」
 

007

スヴェン (穏やかに)
「いや・・そういう意味ではなく・・あれだけ膨大な数だったので、しばらく時間がかかるかと・・・」
 

008

ノア (謙遜するように目を伏せて微笑んで、後半は顔をあげ真摯に)
「フフ・・・新人の僕に出来る事と言ったら、こういう簡単な仕事しかありませんから・・・むしろ、皆さんの足を引っぱってしまっていないか、不安です・・」
 

009

スヴェン (軽く微笑んで)
「フ・・・大丈夫ですよ。むしろ助かっています。ありがとう」
 

010

ノア (ホッとした様子で胸に手をあて笑って)
「ああ、よかった!」
 

011

スヴェン (顎に手をやり、少し考えるように)
「ノア・・・君は確かリュシアンさんの紹介で、このエグレッタ・サクラに・・・」
 

012

ノア (スヴェンを遮って、屈託のない笑顔で、最後は目を伏せ暗い表情で)
「ええ!まさか、こんな大きなお屋敷にお仕えすることになるなんて、夢にも思いませんでした!・・・お話をいただいたのは、随分前なのですが・・・色々とありまして、すぐにこちらにお邪魔することができず・・・実は、その頃、お仕えしていたお屋敷で・・」
 

013

スヴェン (丁寧に)
「・・何かあったのですか?」
 

014

ノア (苦しげに俯いたまま)
「屋敷に出入りしていた商人の一人が・・黒死病にかかったんです・・・その後、病は下働きの使用人達の身体を蝕み・・・ついには主人の命までも・・・」
 

015

スヴェン (丁寧に)
「・・そんなことが・・・黒死病・・・昔から、悪魔の奇病と言われ恐れられている伝染病ですね。この辺りで流行したという話は、あまり聞きませんが・・」
 

016

ノア (悲しげに、最後は涙を流して)
「本当に恐ろしい病気です。・・・僕の父も母も・・・兄妹達も・・・皆、黒死病に倒れ、この世を去りました。・・・僕だけ、こうして、生き残ることができた・・・僕だけ・・・」
 

017

スヴェン (穏やかに諭すようにノアの肩に手を置いて)
「・・しっかり生きなくてはいけませんね。ご両親やご兄弟の分も・・・・」
 

018

ノア (驚いたように顔を上げ、すぐに俯いて涙を拭い、無理に笑って、最後はしっかりとスヴェンを見て頭を下げて)
「・・・っ!・・・・そうですね・・・本当に仰る通りです・・!もっと・・・もっと、頑張らなくちゃ!こんなところで、立ち止まっていたら、天国にいる家族に怒られてしまいます!・・・リュシアンさんが、この館を去ってしまっていたのは残念だけれど・・・僕はこちらのお屋敷で精一杯・・・誠心誠意、お仕えしようと思っています!不束者ですが、どうか、末永く、よろしくお願いします!」
 

019

スヴェン (穏やかに微笑んで)
「フ・・・こちらこそ、よろしくお願いしますよ、ノア」
 

020

ノア (明るく笑って立ち去ろうとして、思い出したように振り返っておもむろに手紙を取り出し、スヴェンに差し出して深く頭を下げて)
「はい!次の仕事がありますので、僕はこれで失礼致します!・・・・おっと、いけない!・・・あの、これ・・先程、こちらに伺う前に、スヴェンさんにお渡しするよう頼まれていたのをすっかり忘れていました!申し訳ございません!」
 

021

スヴェン (手紙を受け取り、軽く眉をひそめて、すぐにノアを見て)
「手紙・・ですか。・・・あ、いや・・・ありがとう、ノア」
 

022

ノア (丁寧に頭を下げて朗らかに挨拶し立ち去る)
「それでは失礼致します!」
 

023

スヴェン (ノアを見送り、手紙に目を落として、すぐに裏面を見て)
「私宛の手紙・・・?差出人は・・・BW・・・?・・・知らないな・・・」
 

024

スヴェン (胸元から折り畳みナイフを取り出し、封を開け、中から手紙を取り出し読み始める、次第に顔がこわばり、手が震え、驚愕の表情へと変わる、最後は手紙を握りしめて)
「・・・・っ・・・!!!・・・・まさか・・・っ・・・!!・・・そんな・・・っ!!・・・・そんなはずは・・・っ!?・・っ・・・!・・これは・・・っ・・これは、何かの・・・何かの間違いだ・・・・っ・・・!!」
 

025

ハリー (納得いかない様子で登場して)
「失礼致します。あのぉ・・・ちょっと気になることがあって・・・あれ?スヴェンさん・・?」
 

026

スヴェン (グシャリと手紙を握りつぶして、右手で心臓のあたりをおさえながら苦しそうに)
「そんな・・馬鹿な・・・っ・・・!!・・・うぅ・・・っ・・!・・・ぐっ・・!!」
 

027

ハリー (スヴェンの様子に気づいて、恐る恐る声をかけて)
「スヴェン・・さん・・?大丈夫ですか・・?」
 

028

スヴェン (慌てて後ろ手で手紙を隠して、取り繕った様子で応対して)
「・・っ・・!・・・あぁ・・・ハリー・・・どうした?」
 

029

ハリー (憮然とした様子で腰に手をあてて)
「あの新人・・・あ、いや、ノアが、頼まれた仕事を全部終わらせた!なんてフザけたこと言ってたもんだから気になって・・・だって、あの地下倉庫の食器の山でしょう!?あんなの、こんな短時間で終わらせられるわけないじゃないですか!!そりゃあ、魔法でも使えるってんなら、話は別だけど・・・!」
 

030

スヴェン (ハリーを遮って、緊張した面持ちでハリーの横を通りぬけて)
「・・すまない、ハリー・・・話なら後で聞く・・・ちょっと急用が出来たので・・・失礼する・・」
 

031

ハリー (軽くスヴェンを追うように手を伸ばして、すぐに考え込むように、後半はシリアスにつぶやきながら退場して)
「え、スヴェンさん!?ちょっと待って下さいよ・・っ!!・・・って・・どうしたんだろう・・・珍しいな、スヴェンさんがあんな表情(かお)するなんて・・・・何かあったのかな・・・・うーん・・・」
 
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