025 Egretta Sacra III vol.1 :芝居用台本004 ・・・・・・・・・・・・・・
S-4 Making Spirits Bright |
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■概要 主要人数:3人 時間:10,00 ■ジャンル ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー ■キャスト シャルロッテ(女、18歳、マクシミリアンの妹) マックス(男、24歳、新エグレッタ・サクラ当主) スヴェン(男、25歳、家令) |
タイトル |
時間 |
キャスト |
セリフ・ナレーション |
S-4 |
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(シャルロッテを探しながら颯爽と登場するマックス) | |
Making Spirits Bright |
001 |
マックス | (ちょっと焦った様子で、シャルロッテの姿を探して、途中からソファに腰をおろし、口元に手をやり考え込むように、後半は可能性に気づき顔を上げ、表情を硬くして) 「・・シャルロッテ、ここにいるのかい?・・・はぁ・・・ここにも、いないか・・・一体、どこへ・・・?・・・っ・・・まさか・・・一人で外へ出たのでは・・っ!?」 |
シャルロッテ、マックス、スヴェン | 002 |
シャルロッテ | (フラフラと歩いてきて) 「・・・お兄様・・・」 |
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003 |
マックス | (驚いたように振り返ってシャルロッテを見て、すぐに優しく語りかけて) 「・・・っ!・・・あぁ・・シャルロッテ・・!・・・どこにいたんだい?姿が見えないから心配したよ」 |
TIME:10,00 | 004 |
シャルロッテ | (ソファの後ろからマックスの首に手をまわして抱きつくように) 「・・・お兄様が来てくれないから・・・私・・・」 |
005 |
マックス | (軽く安心したように微笑んで) 「フ・・・勝手に出歩いたらダメじゃないか・・」 |
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006 |
シャルロッテ | (マックスの髪に顔を埋めるようにして甘えて) 「・・・んんん・・・・」 |
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007 |
マックス | (右手を伸ばしてシャルロッテの頭を撫でて) 「ん・・・・どうした?」 |
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008 |
シャルロッテ | (マックスの肩に顎を乗せて拗ねたように) 「・・・せっかく一緒に住めるようになったのに・・・お兄様ったら、いつでも忙しくて・・・私のことなんて、どうでもいいんだわ・・」 |
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009 |
マックス | (苦笑して、シャルロッテの腕を掴んで自分の前に優しく誘導して) 「ハハ・・・そんなことないよ、シャルロッテ。・・・ほら、こっちへおいで」 |
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010 |
シャルロッテ | (マックスに絡めていた腕を解いて、導かれるままにソファに座るマックスの前の床にペタリと座って、マックスの膝に腕を乗せ凭れ掛かって) 「・・・んん・・・・」 |
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011 |
マックス | (自分の膝の上にあるシャルロッテの頭を優しく撫でて) 「同じ邸内にいるのだから、いつでも会えるだろう?」 |
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012 |
シャルロッテ | (不機嫌そうに指先でマックスの膝をなぞって) 「・・・ちっとも会えないわ・・・私が寂しい時に・・・傍にいて欲しい時に、傍にいてくれない・・・」 |
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013 |
マックス | (シャルロッテの頭を撫でながら諭すように) 「寂しいのかい?・・・ここには、ハリーもヴェラもスヴェンもいる。以前と変わらず・・・」 |
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014 |
シャルロッテ | (マックスの言葉を遮るように顔を上げてマックスを見つめて駄々をこねるように) 「お兄様がいいの!お兄様じゃなきゃダメなの!!」 |
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015 |
マックス | (苦笑して) 「フフ・・・随分と我が儘なお姫様だな・・・」 |
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016 |
シャルロッテ | (不安そうにマックスを見て) 「・・・嫌いに・・なった?」 |
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017 |
マックス | (優しく微笑みかけて) 「そんなことないよ・・・」 |
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018 |
シャルロッテ | (上目使いで乞うようにマックスを見て) 「・・・本当に?」 |
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019 |
マックス | (笑顔のまま、しっかりと) 「ああ。・・・シャルロッテは、この世で一番大切な私の妹だ」 |
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020 |
シャルロッテ | (がっかりしたように呟いて) 「・・・妹・・・」 |
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021 |
マックス | (シャルロッテの変化に気づかずに微笑かけて) 「フ・・そうだよ」 |
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022 |
シャルロッテ | (無表情で一言一言確認するように呟いて) 「・・・妹・・・」 |
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023 |
マックス | (シャルロッテの様子に気づいて気遣うように) 「・・・シャルロッテ?」 |
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024 |
シャルロッテ | (無表情で呟いて、だらりと落とした片手で自分のドレスを握りしめて) 「・・・妹なんて嫌・・・」 |
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025 |
マックス | (訊き返すように) 「・・・ん・・?」 |
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026 |
シャルロッテ | (ゆっくりと顔を上げ、マックスを見ながら、マックスの身体を支えにしながら、ゆっくりと膝立ちになって) 「・・・妹なんて嫌よ・・・」 |
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027 |
マックス | (シャルロッテの変化に気づいて) 「・・・シャルロッテ・・・?」 |
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028 |
シャルロッテ | (マックスの身体を這うように身体を寄せて懇願するように) 「ちゃんと私を見て・・・愛しているって言ってくれたでしょう?・・・ずっと傍にいるって・・約束したでしょう?」 |
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029 |
マックス | (シャルロッテにゆっくりと押し倒されるようにソファに横になって) 「・・・ん・・・シャルロッテ・・・・それは・・・」 |
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030 |
シャルロッテ | (マックスを押し倒しながら、せつなく訴えるように) 「嘘なの・・?・・・お兄様が言ったことは、全部、嘘だったの?私を・・騙したの?」 |
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031 |
マックス | (困ったように笑って、片手を伸ばしてシャルロッテの髪を掻き上げるように触れて) 「・・・フ・・・そんなことはない。・・・愛しているよ、シャルロッテ・・・。おまえが生まれた時から、この気持ちはずっと変わらない・・・」 |
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032 |
シャルロッテ | (悲しく呟いて) 「嘘よ・・・」 |
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033 |
マックス | (シャルロッテの頬に手を伸ばして、シャルロッテを見つめながらしっかりと) 「嘘なんかじゃない。・・・今は亡き母上に誓ったんだ・・・どんなことがあっても、おまえを必ず守ると・・・大切に・・・大切に育てていくと・・・・」 |
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034 |
シャルロッテ | (恐る恐る呟いて) 「信じて・・・いいのね?」 |
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035 |
マックス | (にっこりと微笑んで優しく) 「フフ・・・ああ・・・」 |
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036 |
シャルロッテ | (マックスの胸の上に頭を乗せ、フッと微笑んで) 「フフ・・・・ずっと・・一緒ね・・」 |
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037 |
マックス | (優しく穏やかに) 「ああ・・・ずっと一緒だよ、シャルロッテ・・・・」 |
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038 |
シャルロッテ | (口元に笑みをたたえたまま) 「・・・今日は本邸でパーティーが開かれているんでしょう?」 |
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039 |
マックス | (少しだけ上体を起こして、ひじをついて支えて驚いたように) 「え・・?」 |
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040 |
シャルロッテ | (顔を上げてマックスを見て) 「・・・私、知ってるの・・・何で教えてくれなかったの?」 |
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041 |
マックス | (一瞬困ったように、すぐに優しく微笑んで、言い聞かせるように) 「それは・・・フ・・・パーティーとは言っても、私達が楽しむためのものではない。厳選された招待客と親交を深め、今後のおつきあいを有利に運ぶための・・・・仕事のようなものだよ」 |
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042 |
シャルロッテ | (マックスの胸に顔を埋めて) 「だったら・・・一言、そう言ってくれれば、よかったのに・・・」 |
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043 |
マックス | (苦笑して) 「すまなかった。・・・外部のことで、これ以上、おまえの気持ちをかき乱したくないと思ったんだ・・・」 |
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044 |
シャルロッテ | (徐々に笑みが消えて、無機質に) 「・・・そう・・・」 |
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045 |
マックス | (シャルロッテの髪を撫でながら) 「だから、今日はおとなしく、ここで待っていてくれるかい?・・・後でヴェラに頼んで、おまえの好きなクレッツェンブロートを焼いて・・・」 |
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046 |
シャルロッテ | (マックスを遮るように、無表情のまま) 「・・・ねぇ、お兄様・・・」 |
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047 |
マックス | (優しくシャルロッテを見つめて) 「ん?」 |
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048 |
シャルロッテ | (マックスをじっと見つめて無機質に呟いて) 「・・・キスして・・」 |
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049 |
マックス | (ちょっと驚いて、すぐに優しく微笑みかけて、そっとシャルロッテのおでこにキスをして) 「え・・?・・・フフ・・・今日はやけに・・・フ・・・」 |
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050 |
シャルロッテ | (ゆっくりと首を振って) 「・・・違う・・・そんなキスじゃない・・・・ちゃんと・・して・・」 |
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051 |
マックス | (戸惑ったようにシャルロッテを見て) 「シャルロッテ・・・・」 |
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052 |
シャルロッテ | (マックスの肩に重心をかけて、マックスを再び押し倒して) 「・・・私を愛しているんでしょう?・・・だったら、そんな子供騙しなキスはやめて・・・」 |
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053 |
マックス | (困ったように笑って) 「・・・シャルロッテ・・・冗談は・・・」 |
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054 |
シャルロッテ | (マックスを遮って激しく、すぐに肩で息をし、幾分落ち着いたトーンで) 「あの女には・・っ!!・・・・ハァ・・ハァ・・・あの女には、したんでしょう?」 |
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055 |
マックス | (困ったように笑って) 「誰のことを言って・・・」 |
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056 |
シャルロッテ | (低く怒気を含んだ声で) 「私からお兄様を奪っていったあの女よ・・っ!!」 |
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057 |
マックス | (自嘲的に笑って) 「フ・・・・そんな、過去のことを・・・・マルグリートとは終わったんだ・・・そもそも、最初から本気だった訳じゃない。このエグレッタ・サクラを手に入れるために仕方なく・・・」 |
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058 |
シャルロッテ | (激しく首を振って、強い口調で、後半はゆっくりと指でマックスの顔から身体を順番になぞるようにして) 「理由なんて、どうでもいい・・っ!・・・あの女は触れたんでしょう!?・・・この頬に・・・この唇に・・・この首筋に・・・この身体に・・・・!!」 |
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059 |
マックス | (言い淀んで) 「・・・それは・・・・」 |
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060 |
シャルロッテ | (マックスの胸元を握りしめて顔を埋めて) 「嫌なの・・っ!!・・・あの女の記憶がお兄様の身体に刻まれたままなんて、嫌なの!!・・・我慢できないの!・・・耐えられないのよ・・・!!」 |
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061 |
マックス | (困ったように微笑んで) 「・・・考えすぎだよ、シャルロッテ・・・」 |
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062 |
シャルロッテ | (ゆっくりと起き上がって、マックスに馬乗りになって、無表情のまま、マックスを見下ろして) 「・・・だから、全部消すの・・・なかったことに、するのよ・・・」 |
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063 |
マックス | (訝しげに) 「シャルロッテ・・・?」 |
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064 |
シャルロッテ | (マックスの手をとって自分の胸に当て艶やかに微笑んで) 「・・・忘れさせてあげる・・・私が全部・・・・フフ・・・」 |
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065 |
マックス | (驚いたように手をシャルロッテの胸から離して) 「・・・っ!!・・・やめないか、シャルロッテ・・・!!」 |
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066 |
シャルロッテ | (マックスの手首を掴んだまま、反対側の手でゆっくりとマックスの頬を撫で顔を近づけながら) 「・・・やめないわ・・・私を愛しているんでしょう?・・・ねぇ、お兄様・・・?」 |
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067 |
マックス | (苦しそうに) 「・・・シャル・・・ロッテ・・・っ・・!」 |
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068 |
スヴェン | (手紙二通と写真を握りしめたまま、慌てた様子で中央まで入ってきて、途中で振り返り、二人の姿を見て、すぐに一歩下がって頭を下げて) 「失礼致します。マックス様、こちらにおられるのですか?至急、ご相談したいことが・・・!・・・っ・・!シャルロッテ様もご一緒でしたか・・・!大変ご無礼を・・・・っ!!」 |
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069 |
マックス | (シャルロッテの肩に手をあて、ずらすようにして、シャルロッテ越しにスヴェンを見て) 「・・・スヴェン・・?」 |
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070 |
スヴェン | (頭を下げたまま、少し動揺した様子で) 「お声が聞こえましたので・・・!あぁ・・・申し訳・・ございません・・っ!」 |
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071 |
マックス | (凛とした口調で) 「・・・構わない。・・・すぐに行く。・・・しばし、部屋の外で待て・・」 |
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072 |
スヴェン | (頭を下げたまま、しっかりとした口調で) 「はい・・かしこまりました」 |
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073 |
シャルロッテ | (立ち去ろうとするスヴェンを呼び止めて) 「・・・お待ちなさい、スヴェン!」 |
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074 |
スヴェン | (ビクリとして直立不動で立ち止まって、背中を向けたまま返事をして) 「・・・はい」 |
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075 |
シャルロッテ | (しっかりと) 「・・・ここにいて・・」 |
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076 |
マックス | (訝しげにシャルロッテを見て) 「シャルロッテ・・?」 |
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077 |
スヴェン | (背中を向けたまま返事をして) 「・・・いえ、私は・・・」 |
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078 |
シャルロッテ | (微笑みながらスヴェンに話しかけて) 「ほら、こっちを向いて・・・」 |
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079 |
スヴェン | (目を閉じて、ため息まじりに振り返って) 「・・・はい・・・」 |
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080 |
シャルロッテ | (口元に笑みをたたえたまま冷たい声で) 「そこで立って最後まで見ているの。フフ・・・いいこと?これは命令よ。主人の命令には絶対服従・・・そうよね?」 |
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081 |
マックス | (戸惑った様子で) 「シャルロッテ・・何を・・・!?」 |
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082 |
スヴェン | (顔を上げてシャルロッテを見つめ、拳を握りしめたまま、すぐに頭を下げしっかりと) 「・・っ!・・・はい・・・仰せの通りに・・・」 |
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083 |
シャルロッテ | (艶やかに微笑んで、マックスに顔を近づけて) 「さあ、お兄様、続きを・・・」 |
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084 |
マックス | (シャルロッテの肩を掴んで、押し戻して、真剣な声で) 「・・・っ・・!!シャルロッテ・・・悪い冗談は・・・っ・・・」 |
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085 |
シャルロッテ | (艶やかに微笑んで、徐々に狂気じみて) 「冗談なんかじゃないわ・・・・私はいつだって本気よ。・・・スヴェンは・・・知っていたのでしょう?あの女とお兄様のこと・・・あの女の手によって汚されていくお兄様の姿を・・・近くで見ていたのでしょう?」 |
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086 |
スヴェン | (拳を握りしめたまま、辛そうに顔を背けて) 「く・・っ!」 |
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087 |
マックス | (真剣な表情で何かを言いかけて) 「それは・・・っ・・・!!」 |
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088 |
シャルロッテ | (ゆっくりとスヴェンの方に顔を向け、最後は天井を向いて、狂ったように笑って) 「フフフ・・・・知っていて、見て見ぬふりをしていたのでしょう?フ・・・同罪だわ・・・。だから、これは、罰なのよ。傍にいながら、何もしなかった・・・誰よりもお兄様の近くにいながら、止めることができなかったことへの罰・・・フフ・・フフフ・・・アハハハハ・・・・・!!」 |
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089 |
マックス | (目を瞠って) 「シャルロッテ・・・・!」 |
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090 |
スヴェン | (苦しそうに俯いて胸元に手をあて握りしめて) 「・・・はい・・・シャルロッテ様の仰る通りでございます。全ては私が計画し、実行したこと」 |
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091 |
マックス | (スヴェンを振り返って、訴えるように) 「違う、スヴェン!あれは私が自ら望んだことだ・・!」 |
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092 |
スヴェン | (目を伏せたまま自嘲的に微笑んで) 「いいえ・・・この計画には犠牲が伴うと、初めから知っておりました。・・・・それなのに、無理矢理すすめてしまった私の罪です」 |
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093 |
マックス | (軽く首を振って苦しそうに) 「そんなことは・・・っ・・!!」 |
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094 |
スヴェン | (顔を上げてマックスを見つめて、穏やかに) 「そのために、マックス様をはじめとする、多くの人々を苦しめ、傷つけた。・・・・私の至らなさ故に・・・シャルロッテ様にまで、このように不快な思いをさせてしまいました」 |
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095 |
シャルロッテ | (笑いながらスヴェンを見て) 「ククク・・・・そうよ、あなたのせいよ、スヴェン・・・フフ・・・」 |
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096 |
マックス | (シャルロッテを一喝して、すぐにスヴェンを見て悲痛な声で) 「・・・いい加減にしないか、シャルロッテ・・・!スヴェン!あれは・・・!あれは、決して、おまえのせいではない!!」 |
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097 |
スヴェン | (深々と頭を下げ、しっかりと告げて) 「この度の不始末は、ひとえに私の不徳の致すところにあり、弁解の余地もございません。誠に申し訳ございませんでした。どのような処罰でも甘んじて受ける覚悟でございます」 |
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098 |
シャルロッテ | (高笑いして) 「フフフ・・・・アハハハハ・・・・!」 |
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099 |
マックス | (スヴェンを見て辛そうに) 「スヴェン・・・・っ・・・!」 |
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100 |
シャルロッテ | (マックスの顔を両手ではさんで、自分の方を向け狂気の笑顔で) 「ククク・・・ねぇ、お兄様・・・愛しているんでしょう、私を!他の誰よりも・・・だったら、今すぐ誓って!私だけを見ると・・・生涯、私だけを愛し続けると・・・!フフ・・・これは誓いのキスだわ・・・ほら、スヴェンが証人になってくれる。・・・ね、スヴェン?」 |
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101 |
スヴェン | (深々と頭を下げたまま、苦しそうに呻いて、拳を握りしめて) 「・・・・っ・・・・」 |
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102 |
マックス | (噛み締めるように呟いて) 「シャルロッテ・・・・っ・・・!」 |
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103 |
シャルロッテ | (ゆっくりとマックスに顔を近づけて) 「愛しているわ・・・お兄様・・・・フフ・・・・」 |
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104 |
マックス | (シャルロッテの押しのけるように肩を強くおして起き上がって) 「・・・っ・・!やめろ、シャルロッテ・・っ!!」 |
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105 |
シャルロッテ | (茫然とマックスを見て) 「おにい・・さま・・・?」 |
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106 |
マックス | (シャルロッテを押しのけ、立ち上がって、肩越しに厳しく一喝して、颯爽とその場を後にして) 「お遊びはここまでだ、シャルロッテ!・・・行くぞ、スヴェン・・!」 |
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107 |
スヴェン | (驚いたように顔をあげ) 「・・・っ!・・!・・はい・・っ!」 |
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108 |
シャルロッテ | (虚ろな目で正面を向いたまま、徐々に感情をあらわにして) 「おにい・・さま・・・やっぱり、嘘だったのね・・・嘘をついたのね・・・・私を・・騙したのね・・・っ・・!!あぁ・・・ぁああああああ・・・っ!!」 |
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109 |
スヴェン | (一瞬、戸惑ったようにマックスが去った方向を見て、すぐに思い直したように、シャルロッテに近寄り労わるように) 「っ・・・!・・・シャルロッテ様・・・マックス様は決して・・・・っ!」 |
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110 |
シャルロッテ | (膝を抱えて、両手で頭を挟むようにして叫んで) 「触らないでっ・・!!!!」 |
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111 |
スヴェン | (ビクリとして手を引っ込めて) 「・・・っ・・・・!」 |
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112 |
シャルロッテ | (正面を向いたまま、茫然とした様子で) 「・・・おまえがいけないのよ、スヴェン・・・おまえがお兄様を狂わせていく・・・・優しかったお兄様を奪っていく・・・・絶対に・・・絶対に・・・許さないわ・・スヴェン・・・・許さないわ・・・」 |
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113 |
マックス | (幕の向こうから声だけかけて、厳しく) 「スヴェン!何をしている!!」 |
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114 |
シャルロッテ | (スヴェンに顔を向け、睨みつけて) 「・・・地獄へ落ちればいい・・・っ・・!!」 |
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115 |
スヴェン | (驚愕の表情でシャルロッテを見つめて、すぐに思い直したように深々と頭を下げ、しっかりと言いながら立ち去って) 「・・・っ・・・・!・・・御前を・・・失礼致します・・・・」 |
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116 |
シャルロッテ | (膝を抱えて、顔をうずめて) 「・・・・皆、大嫌いよ・・・・!・・・こんなところ・・・出ていくわ・・・!」 |
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117 |
シャルロッテ | (膝を抱えて、顔をうずめて) 「・・・・ノア・・・ノア・・・・助けてよ、ノア・・・・。ここには、私の味方は一人もいないわ・・・・早く・・・助けに来て・・・・!」 |
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118 |
シャルロッテ | (思い出したように、ゆっくりと顔をあげて立ち上がりながら、最後はブツブツとつぶやきながら退場して) 「・・・・そうだわ・・・用意を・・・しなくちゃ・・・・もうすぐ・・・ノアが・・・来ちゃう・・・・ノアと一緒に・・・・ここを出ていくの・・・もう、嘘つきなお兄様も・・・お兄様を誑かすスヴェンの顔も・・・見たくないわ・・・・ノア・・・・ねぇ、ノア・・・・」 |
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