025 Egretta Sacra III vol.1 :芝居用台本007 ・・・・・・・・・・・・・・
S-7 Alle Fragen sind gestellt |
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■概要 主要人数:8人 時間:10,00 ■ジャンル ボイスドラマ、中世、シリアス、ファンタジー ■キャスト ハリー(男、17歳、近侍) ノア(男、17歳、小姓) シャルロッテ(女、18歳、マクシミリアンの妹) パトリック(男、25歳、ロンズデール伯爵) リュシアン(男、23歳、ロンズデール伯爵家執事) マックス(男、24歳、新エグレッタ・サクラ当主) ヴェラ(女、23歳、侍女) スヴェン(男、25歳、家令) |
タイトル |
時間 |
キャスト |
セリフ・ナレーション |
S-7 |
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(離れのサロン。サイドテーブルには二つのグラス。慌てた様子で飛び込んでくるハリー。シャルロッテの姿を探すが見当たらない) | |
Alle Fragen sind gestellt |
001 |
ハリー | (焦った様子で辺りを探して、その場でクルリと回転して、後半は太腿辺りに手をついて、大きく肩で息をして) 「失礼致します・・っ!・・シャルロッテ様・・・っ!・・・・ハァ・・・シャルロッテ様・・・っ!!!・・・・ハァ・・ハァ・・・ここにもいない・・か・・・ハァ・・・・一体・・どこへ行かれたんだ・・・っ!?」 |
ハリー、ノア、シャルロッテ、 パトリック、リュシアン、 マックス、ヴェラ、スヴェン |
002 |
ハリー | (切羽詰まった様子で) 「お一人で、ここから出られるはずがないんだ!・・・考えられるとしたら・・・やっぱり・・・ノア・・・・?」 |
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003 |
ハリー | (激昂した様子で飛び出して行こうとして) 「チ・・・ッ・・・!クソ・・・っ・・!!アイツ・・・っ!!!」 |
TIME:10,00 | 004 |
シャルロッテ | (仮面をつけて、ゆっくりと登場して) 「ハリー・・・?」 |
005 |
ハリー | (ビクリとして振り返って、驚いて) 「・・え・・っ!?・・・・まさか・・・シャルロッテ・・様・・?」 |
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006 |
シャルロッテ | (ゆったりとした仕草でソファに腰をおろして) 「フフ・・・どうしたの?そんなに慌てて・・・・」 |
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007 |
ハリー | (安堵の溜息と共に、シャルロッテの足元で、ガクリと膝を折って) 「・・はぁ・・・・よかったぁ・・・・シャルロッテ様が、どこかへ行ってしまわれたんではないかって・・・心配で、心配で・・・・はぁ・・・・僕は・・・・っ・・・」 |
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008 |
シャルロッテ | (穏やかにハリーの顔を覗き込むようにして) 「ハリー・・?」 |
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009 |
ハリー | (そのまま足を投げ出すように、その場に腰を下ろして、徐々に体育座りに移行しながら、両手で涙を拭って、最後は膝の上に腕を乗せて突っ伏すように) 「・・・ハハ・・・安心したら、何だか力が抜けて・・・しかも、涙まで・・・。・・・あれ?・・参ったな・・・止まらないや・・・。申し訳ございません、シャルロッテ様。・・・みっともないところ、お見せしちゃって・・・。・・・・こんな・・・・ハハ・・僕、格好悪いですよね。・・・嫌だな・・・」 |
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010 |
シャルロッテ | (ハリーの頭に手を伸ばして、優しく触れて) 「いいのよ、ハリー・・。・・・心配させて、ごめんなさい・・」 |
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011 |
ハリー | (大袈裟に顔を拭って、笑顔でシャルロッテの方を振り返って) 「いいえ!謝らないで下さい!・・・もう・・大丈夫ですから!・・・それより、その仮面・・・いかがなされたんですか?」 |
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012 |
シャルロッテ | (遠くを見つめるように顔を上げて) 「今日は・・・仮面舞踏会なんでしょう・・?」 |
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013 |
ハリー | (気まずそうに俯いて、胸に手を当て、深く頭を下げて) 「あぁ・・。・・ご存知だったんですか。・・・申し訳ございません・・・ずっと・・黙っていて・・・・」 |
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014 |
シャルロッテ | (にっこりとハリーに微笑みかけて) 「フ・・いいの。そのことは・・・もう・・」 |
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015 |
ハリー | (気まずそうにしながらも訴えるように) 「あの・・・決して、悪気があったわけでは・・・っ・・!」 |
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016 |
シャルロッテ | (穏やかに、後半はまた正面を向いて無機質に呟いて) 「いいって、言ったでしょう?・・・・それより・・・ハリー・・・お願いがあるの。・・・・私をここから・・・・ここから連れ出して・・・」 |
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017 |
ハリー | (ちょっと驚いて、すぐに目をそらして) 「え・・っ・・!?・・・グ・・・っ・・、それは・・・」 |
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018 |
シャルロッテ | (ハリーの手を握りしめて、懇願するようにしっかりと) 「ねぇ・・ハリー・・・お願い・・・」 |
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019 |
ハリー | (怯んだ状態から、苦しそうな表情で、途中、振り切るように膝の上で拳を握りしめて顔を背けて、最後は平伏して) 「・・・っ・・・!・・・・く・・っ・・!申し訳ございません、シャルロッテ様!マックス様の許可なく、外へお連れすることはできません・・っ!・・・いくら、貴女様のお願いでも、これだけは・・・これだけは叶えることができないんです・・・。どうか、お許しを・・・っ・・!!」 |
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020 |
シャルロッテ | (無表情のまま立ち上がって) 「そう・・・・」 |
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021 |
ハリー | (縋るように) 「シャルロッテ・・様・・?」 |
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022 |
シャルロッテ | (仮面を外して机の上に置いて、にっこり微笑んで) 「フフ・・・そうよね・・・無理を言ってごめんなさい。・・・ただ、かすかに聞こえてくる音楽や人の声が、あんまり楽しそうなものだから、羨ましくて・・・つい我が儘を言ってみたくなったの・・・」 |
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023 |
ハリー | (軽く安堵したように) 「シャルロッテ・・様・・」 |
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024 |
シャルロッテ | (サイドテーブルの杯をとって、片方をハリーに差し出して) 「ねぇ、ハリー。パーティーに出られないのは残念だけれど・・・せめて、少しだけでも・・・つきあってくれるかしら?」 |
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025 |
ハリー | (戸惑った様子で立ち上がって) 「え・・、あぁ・・でも、僕・・・あの・・そろそろ戻らなくては・・・。言われたことを全て放り出してきてしまったので・・・」 |
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026 |
シャルロッテ | (艶やかに微笑んで) 「少しだけ・・よ。・・・ね・・?」 |
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027 |
ハリー | (苦笑しながら杯を受け取って) 「ん・・・はい・・・」 |
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028 |
シャルロッテ | (ふと後ろ上方を見てから、杯を差し出して) 「素敵な満月の夜に・・・・」 |
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029 |
ハリー | (両手で杯を持って、乾杯するように差し出し、すぐに全てを飲み干して) 「はい・・・ゴク・・ゴク・・・」 |
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030 |
シャルロッテ | (ゆっくりと杯をサイドテーブルに置きながら) 「用事が全て終わったら・・・また来てくれるわよね・・?」 |
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031 |
ハリー | (にっこり笑って、杯を掲げながら楽しそうに、最後は眩暈を感じてフラフラして、杯を取り落して) 「ええ、もちろんです!・・それにしても、これ、変わった味のお酒ですね。甘くて、ほんのり不思議な香りが漂う・・・貴腐ワインか何かですか?・・・・おいしかったです。ご馳走さまでした!・・・それでは、僕はそろそろ、失礼・・・って、あれ・・・?・・・おかしいな・・・」 |
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032 |
シャルロッテ | (穏やかに微笑んで) 「フフ・・・どうしたの、ハリー?」 |
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033 |
ハリー | (ドサリとソファに座って、背もたれにもたれかかって、朦朧とした意識の中) 「いや・・・何だか、いきなり・・・っ・・・あぁ・・・何で・・・こん・・な・・・すみ・・ません・・・シャル・・・ロッテ・・様・・・」 |
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034 |
シャルロッテ | (ソファに座りながら、穏やかに微笑んで) 「貴方も私をここから連れ出してはくれないのね・・・ハリー・・・」 |
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035 |
ハリー | (朦朧とする意識の中、手を伸ばして、何とか起き上がろうとして、そのまま、シャルロッテの膝の上に倒れ込んで) 「シャル・・・ロ・・・・・」 |
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036 |
シャルロッテ | (ハリーの頭を撫でながら、正面を向いて無表情のまま) 「貴方も・・・お兄様と一緒。・・・私をずっと檻の中に閉じ込めておきたいの・・・」 |
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037 |
ノア | (そっと登場して) 「シャルロッテ・・・大丈夫?」 |
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038 |
シャルロッテ | (ゆっくりと立ち上がって) 「ええ・・・」 |
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039 |
ノア | (ハリーを見下ろして冷笑して、傍らに落ちていた杯を拾って微笑んで) 「もしかして、彼なら君を連れ出してくれるかもしれない・・・って思ってたけど・・・・やっぱり、無理だった・・か・・。念のため、用意しておいてよかった・・」 |
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040 |
シャルロッテ | (悲しそうに顔を背けて、後半は思い出したようにノアに縋って、不安そうに訴えて) 「・・・そうね。・・・・ねぇ、ノア!ハリーは・・っ・・・!」 |
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041 |
ノア | (持っていた杯を傾けながら、いたずらっぽく) 「安心して。眠っているだけだから。強力な薬だから、しばらくは目を覚まさないだろうけど・・・」 |
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042 |
シャルロッテ | (軽く安堵の溜息をついて) 「・・・はぁ・・・よかった・・・」 |
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043 |
ノア | (ハリーが持っていた鍵をとって、にっこり微笑みかけて) 「フフ・・・そんなに心配するなんて、シャルロッテは優しいんだね。それとも、怖くなった?・・・フ・・・でも、これで、出口の鍵が手に入ったよ」 |
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044 |
シャルロッテ | (浮かない顔で) 「ええ・・・」 |
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045 |
ノア | (シャルロッテに鍵を渡して、肩にハリーを担ぐようにして外へ運び出して) 「・・・・あぁ・・・彼を、このまま、ここに置いていくわけにはいかないな。これじゃ、すぐに見つかってしまう。・・・シャルロッテ、この鍵を持ってて。・・・っしょっと・・・!」 |
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046 |
シャルロッテ | (心配そうにウロウロしながら、頭を抱えて取り乱して) 「ノア・・・本当に大丈夫・・・?・・・すぐに見つかって、捕えられて、今よりも、もっと監視の厳しい・・・地下牢のような場所に閉じ込められて・・・!・・そうなったら、もうあなたに会うことができなくなるわ・・!!・・・・・そんなの・・・そんなの、嫌・・っ・・!!」 |
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047 |
ノア | (シャルロッテの両腕を掴んで、言い聞かせるように) 「シャルロッテ、僕を見て。・・・いいかい?今夜、君が・・いや、君だけじゃなく、皆が驚くようなことが起こる。・・それは、君の意に染まぬことかもしれない」 |
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048 |
シャルロッテ | (不安そうに呟いて) 「ノア・・・?」 |
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049 |
ノア | (シャルロッテを見つめてしっかりと) 「でも、今は理由をきかず、全てを受け入れて欲しい。・・・君を、この檻から解放してあげるには、これしか手がないんだ!・・・・だから、僕を信じて・・」 |
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050 |
シャルロッテ | (穏やかにコクリと頷いて) 「ノア・・・ん・・・」 |
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051 |
ノア | (シャルロッテに仮面をつけて、後ろからシャルロッテを抱きしめて) 「フ・・・それまで、この仮面を外してはダメだよ。・・・シャルロッテ・・・必ず君を守ると。・・・これから先、どんなことが起きても、君の傍にいると・・・誓うよ・・・だから・・・」 |
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052 |
シャルロッテ | (抱き締められたまま、ノアの腕に手を置いて、優しく微笑んで) 「大丈夫・・・信じてるわ・・・」 |
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053 |
ノア | (軽く自嘲的に笑って、すぐに腕をほどいて、シャルロッテに手を差し伸べて) 「フ・・・さぁ、行こう、シャルロッテ!おいで!」 |
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054 |
シャルロッテ | (ノアの手をとって嬉しそうに) 「ええ!」 |
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(シーンチェンジ:グラスを片手にソファに腰かけて、つまらなそうにするパトリック。傍らにはリュシアン。そこへ颯爽と登場するマックス) | |||
055 |
パトリック | (おもむろに立ち上がり、飲んでいたグラスをリュシアンに渡して) 「フ・・・主役のお出ましだ・・ちょっと行ってくる」 |
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056 |
リュシアン | (丁寧にお辞儀をして、グラスを持って退場する) 「・・・はい」 |
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057 |
パトリック | (後方からマックスに近づいて、サラリと) 「おやおや、人気者は大変だね・・・ご婦人達が放っておかない・・・」 |
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058 |
マックス | (丁寧にお辞儀して) 「ああ・・これは、ロンズデール子爵・・・」 |
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059 |
パトリック | (爽やかに笑って、思い出したように、微笑しながら) 「フ・・パトリックでいいと、言っただろう?・・・時に、君は、ルーデンドルフ伯爵家で開かれた追悼ミサを欠席したようだが・・・どうしたんだい?」 |
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060 |
マックス | (驚いたように眉をひそめて) 「え・・・?」 |
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061 |
パトリック | (微笑んだまま、ゆっくりと歩きだして) 「今は亡き、リーネ・ドミニク・ルーデンドルフ伯爵令嬢は、仮にも君のフィアンセだった女性だ」 |
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062 |
マックス | (眉間にしわを寄せて) 「何故・・・それを・・っ・・・?」 |
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063 |
パトリック | (嘲笑するように優雅に) 「それなのに、随分と冷たい仕打ちだね。・・・この世を去った者に未練はない・・か?・・・それとも、妹君のシャルロッテ殿のことを考えてか?フフ・・・」 |
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064 |
マックス | (何か言おうとしてパトリックに近寄って) 「・・・っ・・・!」 |
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065 |
ヴェラ | (慌てて、マックスに走り寄って) 「ご歓談中のところ、大変申し訳ございません!マクシミリアン様・・・っ・・・!」 |
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066 |
マックス | (顔を向けず、厳しく言い捨てて) 「そう思うなら、下がれ、ヴェラ!・・・お客様に失礼だ!」 |
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067 |
ヴェラ | (食い下がって、訴えるように) 「しかし・・・っ・・!シャルロッテ様が・・・っ・・!」 |
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068 |
マックス | (目を見開いて、周囲を気にするように) 「何・・っ!?・・・・その話は・・・っ・・・!」 |
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069 |
パトリック | (軽く笑って、目を伏せて) 「フ・・・私のことなら気にしないでくれたまえ。それでは、失礼・・・」 |
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070 |
マックス | (軽く頭を下げてパトリックを見送って) 「はい。申し訳ございません。後ほど・・・・」 |
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071 |
マックス | (ヴェラを促して端の方に行き) 「それで?シャルロッテがどうかしたのか?」 |
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072 |
ヴェラ | (首を振って、軽くパニック状態で) 「いらっしゃらないんです・・っ!・・・離れのどこを探しても・・・っ!!」 |
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073 |
マックス | (軽く笑って) 「フ・・・我が儘が過ぎるので、厳しく叱ったばかりだ。いつものように拗ねて隠れているのだろう・・・」 |
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074 |
ヴェラ | (両頬に手をやり、戸惑った様子で) 「それが・・・・、先程からハリーの姿も見えなくて・・・しかも、離れへと続く扉のドアの鍵も開けられたままで・・・・」 |
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075 |
マックス | (眉をひそめて) 「まさか・・・ハリーが・・・?」 |
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076 |
ヴェラ | (首を振って、焦った様子で) 「わかりません!・・・でも、私、どうしたら、いいのか・・・っ・・!!」 |
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077 |
マックス | (落ち着いた様子で) 「スヴェンに、この事は?」 |
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078 |
ヴェラ | (不安そうに) 「まだ、お伝えしていません」 |
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079 |
マックス | (目を伏せてしっかりと) 「そうか・・・この後の挨拶が終わったら、私から言おう。・・・ヴェラ!門番に伝えろ!私が行くまでエグレッタ・サクラから何人たりとも外に出すな・・と!」 |
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080 |
ヴェラ | (慌てて頭を下げて退場して) 「はい!かしこまりました!」 |
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081 |
マックス | (口元に手をあて考え込むように) 「シャルロッテ・・・・一体・・・」 |
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082 |
スヴェン | (ファイルを片手に颯爽と登場して) 「マックス様、いかがなさいましたか?」 |
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083 |
マックス | (スヴェンを振り返って、さらりと) |
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084 |
スヴェン | (軽く躊躇したように) 「左様でございますか・・・実は私もご相談したいことが・・。・・・あ・・いえ・・まずは、ゲストに挨拶を・・・」 |
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085 |
マックス | (凛とした様子で) |
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086 |
スヴェン | (フロア中央に歩み出て) 「皆様!本日はお忙しい中、このエグレッタ・サクラに足をお運びいただき、まことにありがとうございます。それでは、主人・マクシミリアン・ディートリヒ・エッフェンベルクより、挨拶がございます」 |
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087 |
マックス | (優雅に) |
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088 |
パトリック | (大きな声で遮って、前へ進み出て) 「ちょっと、よろしいか!」 |
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089 |
マックス | (驚いて振り返って) |
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090 |
パトリック | (不敵な笑みを浮かべて余裕たっぷりに) 「主人の挨拶を遮るなど、非礼この上ないことと承知の上で、この場を借りて、皆さんに申し上げたいことがある」 |
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091 |
マックス | (訝しげに) |
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092 |
パトリック | (ゆっくりと優雅に) 「実は、兼ねてから、こちらにいらっしゃるマクシミリアン殿の妹君を我がロンズデール伯爵家に迎えようと思っていた」 |
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093 |
マックス | (戸惑った様子で後ずさりして) |
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094 |
パトリック | (チラリとマックスを見て笑って、途中から仮面を外して、声高らかに宣言して) 「今日、君と話をして、気持ちがかたまったよ。・・・・ぜひ、こちらにいらっしゃるゲストの皆様に証人になっていただきたい!・・私、パトリック・ジェレマイア・ロンズデールは、シャルロッテ・アヌシュカ・エッフェンベルク殿に正式に結婚を申し込む!」 |
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095 |
マックス | (焦ったようにパトリックに近づいて) |
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096 |
シャルロッテ | (幕の向こうから、しっかりとした大きな声で言って、その後、ゆっくりと二人に歩み寄る) 「そのお話、謹んでお受け致します!」 |
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097 |
マックス | (目を見開いて) |
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098 |
シャルロッテ | (仮面を外しながら、優雅に微笑んで挨拶して) 「どうぞ、末永くよろしくお願い致します」 |
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099 |
パトリック | (少し驚いた様子で) |
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100 |
シャルロッテ | (華やかに微笑んで) 「ええ・・・」 |
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101 |
パトリック | (優雅に手を差し伸べて) 「よろしかったら、あちらでゆっくりとお話でも・・・」 |
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102 |
シャルロッテ | (パトリックの手をとって艶やかに) 「フフ・・・喜んで・・・」 |
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103 |
マックス | (首を振って額に手をあてよろけながら) |
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104 |
スヴェン | (よろけるマックスの腕を掴んで後ろから支えるようにして) 「マックス様・・・どうかお気を確かに!・・・個々の事象が自然発生し、些細な偶然が重なり、このような流れを生んだとは、到底、考えられません。・・・明確な悪意を持って、周到かつ巧妙に、幾重にも張り巡らされた罠・・・どこかに絵を描いた者がおります」 |
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105 |
マックス | (苦しそうに吐き出して) |
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106 |
スヴェン | (しっかりと) |
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107 |
マックス | (首を振って) |
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108 |
スヴェン | (手紙を取り出して、マックスに渡して) |
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109 |
マックス | (訝しげに手紙を受け取って、読み始めて) |
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110 |
スヴェン | (胸に手をあて目を伏せて) |
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111 |
マックス | (手紙を読みながら手を震わせて) |
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112 |
スヴェン | (苦しそうに胸元を掴んで) |
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113 |
マックス | (手紙を読みながら、首を振って) |
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114 |
スヴェン | (静かに訴えるように) |
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115 |
マックス | (スヴェンを見て訴えるように) |
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116 |
スヴェン | (目を伏せて) |
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117 |
マックス | (スーッと深呼吸して、しっかりと前を睨みつけて、手紙を握り潰しながら) |
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118 |
スヴェン | (しっかりと) |
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119 |
マックス | (前方を睨んで、サッとジャケットを翻して退場して) |
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120 |
スヴェン | (しっかりと答えて退場して) |
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